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山崎まゆみの「心もとろける癒やしの温泉」

医療・健康・介護のコラム

激動の2020年。温泉地にも、未来を見据えた動きが始まっています

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 新型コロナウイルスが 蔓延(まんえん) した2020年は、温泉旅館にとって波乱に満ちた一年でした。東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客を迎えるための施設改修をした旅館は少なくはありません。あらゆることが計算外となり、先々についてもはっきりしません。

 ただ、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えながら、すでに新しい動きを始めている温泉地や旅館はあります。

「ワーク」+「バケーション」という新しいスタイル

激動の2020年。温泉地にも、未来を見据えた動きが始まっています

旅館ニュー扇屋の貸し切り露天風呂

 「ワーケーション」という言葉をご存じでしょうか?

 仕事(ワーク)をしながら、寛ぎ(バケーション)も得られるという造語です。コロナ禍でリモートワークが定着してきた中、「温泉地でも仕事を」という動きです。

 環境省が実施する「国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進補助事業」には、多数の温泉地が採択されました。そのひとつが福島駅から車で40分ほどの土湯温泉です。

 10月下旬、ここでワーケーションのモニターツアーが開催され、県内外から来た多数の人に交じり、私も体験をしてきました。参加者には、圧倒的に女性の姿が多く見られました。

 ツアーの初日は早く休み、翌朝は早起きでスタートしました。

 私が泊まった旅館ニュー扇屋では、貸し切り露天など8種類のお風呂が楽しめます。単純温泉が多い土湯温泉ですが、ここでは炭酸水素塩泉が自家源泉として湧出しており、地域の単純温泉とミックスさせて、湯船に注いでいるのです。

 温泉旅館に泊まる楽しみのひとつは朝湯です。前の晩の入浴によって、とても深い眠りに導かれ、朝の温泉で体を目覚めさせると、すっかり頭がクリアになっていました。パソコンを広げると原稿がはかどるのを実感します。

 そして、朝食で頂いた卵が美味! 源泉で作った温泉たまごは黄身が濃厚で、いつまでも舌に風味が残りました。

 すっかり満足した後、もう1時間ほど部屋で仕事をしてから、さあ外でアクション!

激動の2020年。温泉地にも、未来を見据えた動きが始まっています

大自然の中で、ランチに付いたスイーツを

豊富なアクティビティーでリラックス、仕事もはかどる!

 ワーケーションモニターツアー2日目は、さまざまなアクティビティーが予定されています。磐梯朝日国立公園内にある土湯温泉の 女沼(めぬま) では、ボードの上に立ち、パドルを使って水上を進むスタンドアップパドルボード(サップ=SUP)やカヤックが体験できます。

 絶好の秋晴れ、澄み切った空気の中、真っ青な空や紅葉が水面に映り込んだ沼の上を、カヤックやサップで進んでいきます。

 なんと、気持ちがいいこと! 参加者の笑い声が公園内に響き渡ります。

 近くには、福島で人気のカレー店がキッチンカーで来ていました。ランチタイムに、新鮮な空気を吸いながら、アウトドアでいただくカレーがおいしかったのは言うまでもありません。

 そのほか、「3大こけしの産地」でもある土湯温泉らしく、こけしの絵付け体験や源泉見学ツアーも催行されます。どの行程も、参加が義務付けられているわけではないため、仕事で抜ける人も多数いました。

 私も午後には、心が弾んだまま旅館に帰って仕事再開。そのおかげか、ずっと行き詰まっていた仕事の案件に突破口が見えてきました。

激動の2020年。温泉地にも、未来を見据えた動きが始まっています

カヤックで水の上を満喫。仕事の合間にしてはぜいたくな時間です

気分、体調を整えながらのワーキングスタイル

 旅館で出会ったある女性は、「今朝は部屋でリモートヨガをやった」と言っていました。そのほかの参加者からも、「ワーケーション2日目は4時半に起床。朝温泉に入りスタート。澄んだ空気の中の朝日を浴びてキラキラ浄化されました」「旅館で仕事に集中できて 温泉で癒やされて  美味(おい) しいお食事たべて アウトドアで思いっきり楽しんで 早起きしてお散歩して とってもとってもとっても充実した時間を過ごしました」など、FacebookやTwitterへの楽しげな投稿がいくつも見られました。

 20年10月の環境省の報告によると、18、19年度の2年間に実施した約7500人ものアンケート調査で、温泉入浴や温泉地滞在、周辺でのアクティビティー実施が、リラックス効果や不調だった体調の回復に効果があるとのことでした。ワーケーションの広がりに弾みがつきそうですね。

 温泉地でリラックスして仕事をする。気分転換に体を動かし、また仕事。

 参加者の様子を見ていたら、こうした新しい形態は、女性の方が受け入れやすいのだろうと感じました。

 こんな夢のような仕事のスタイルが定着するのであれば、私はどんどん活用します!

福島土湯温泉 ニュー扇屋

福島土湯温泉 ニュー扇屋
【 所在地 】〒960-2157 福島県福島市土湯温泉町字下の町18
【 電 話 】024-595-2014
【 泉 質 】単純泉と炭酸水素塩泉の混合泉
【 効 能 】神経痛、筋肉痛、五十肩、冷え性、うちみ、切り傷、やけど、皮膚病、アトピー性皮膚炎、婦人病、リウマチなど
【アクセス】JR福島駅からバスで45分
【ホームページ】https://www.newougiya.com/index.html

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山崎まゆみ(やまざき・まゆみ)

温泉エッセイスト、ノンフィクションライター、VISIT JAPAN大使、跡見学園女子大学兼任講師。世界32か国1000か所以上の温泉を巡り、「温泉での幸せな一期一会」をテーマに各メディアでリポートしている。『続・バリアフリー温泉で家族旅行』(昭文社)等著書多数。最新刊は『行ってみようよ! 親孝行温泉』(昭文社)。内閣官房東京オリンピック競技会・東京パラリンピック競技会推進本部事務局「ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議 街づくり分科会」「ユニバーサルデザイン2020評価会議」に参画し、日本の「バリアフリー温泉」の推進に力を注いでいる。温泉情報はTwitter、FB、インスタグラムで更新中。

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