新・のぶさんのペイシェント・カフェ 鈴木信行
医療・健康・介護のコラム
身に着けるものすべてがリスク 患者会で交流拠点づくり
海外との交流を通じて活動に目覚め

2017年11月、DebRA International in NZ(ウエリントン)にて。友の会発足時から影響を受けた当事者のハンフリー君と(宮本さん提供)。
「恵子は何にチャレンジしたいんだい?」
患者会の活動を始める前には、日常生活が大変なこともあって、周囲からは「何もしなくていいよ」という雰囲気の中で生きていたという。それが、患者会を始めて一変した。
活動の一環で出会った海外の患者に夢を尋ねられた時、何も思いつかなかったことが、きっかけだった。
「やりたいことをやらないのは損しているね」と言われ、病気と人格は違うことに気づかされた。「やりたくても、やれない」ではなく、「やりたいことを、どうすればやれるか」と考える。患者会で一番恩恵を得たのは自分自身だという。新しく入ってくる会のメンバーにも、もっともっと様々なことにチャレンジしてほしいと願っている。
日本は医療先進国とされているが、海外の患者との交流を通じて、「患者自身の生き方や家族の考え方、医療制度、情報など、日本は患者の生活の質という面で、医療後進国であると感じている」という。
包帯、ガーゼに保険が適用
日ごろから大量に必要としている包帯やガーゼは、以前は、問屋からじかにまとめて買っていた。しかし、海外の患者会との交流を通じて、たとえば台湾や韓国でもガーゼ等が保険適用になっていることを知った。
日本でも実現したいと考え、会で署名活動を実施。当初は、一人の患者の発案で制度を変えることは無理だろうと言われたが、「無理だと言われると、逆に燃えちゃうんですよ、私」と、笑いながら振り返る宮本さん。活動が実り、2010年から、包帯、ガーゼなどに保険が利くようになった。
宮本さんたちの行動力にも、また、国の迅速な対応にも、私は驚いた。それだけ、切実な現実があったのだろう。
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