常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
新型コロナ感染の30代女性、最もつらい後遺症は…脱毛で髪が薄く
30代半ばのAさんは、秋口に新型コロナに感染した。発症後は38度台の発熱とひどいせきが続き、肺炎所見もひどかったため入院治療を受けた。その後、呼吸器症状も改善し、ようやく職場復帰をしたところだった。
退院後は、私のクリニックで経過をみていた。せきは大きく息を吸い込んだりした時に出るくらいで、だいぶ改善した。嗅覚は半分くらい戻ってきたという。甘い、塩辛いはわかるが、コーヒーの香りなどは、はっきりしないようだ。
体のあちこちに湿疹もできているが、Aさんが一番気にしている症状は脱毛だった。洗髪や髪をとかす時、驚くほど髪が抜ける。
人目が気になるほどの薄毛に
コロナに感染したとわかった後の熱、せきもつらかったが、元気になると信じて入院中も必死に症状に耐え、味もわからない中、体力を取り戻すように懸命に食事もとってきた。コロナ感染は、仕事を休んでいる間、同僚に仕事量を増やすことになることへの気遣いや感染を知った周囲の恐怖や偏見などによるストレス、心労が大きい。そんな環境も受け入れながら、元気を取り戻してきたところだった。
Aさん自身、なんらかの後遺症があるかもしれないとは思っていたし、匂いが完全に戻らないのも、湿疹ができてしまうのも仕方ないと受け入れていた。しかし、脱毛は想像以上に心の負担になり、他人の目が気になって外に出るのもつらいと涙ながらに訴えた。
たしかに脱毛の程度はかなり深刻で、頭頂部の毛髪の密度は、まばらと言えるほどで30代の女性には酷な状況だ。
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