文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

医療相談室

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

転移で治療 腎臓がんの再発の可能性は?

 1988年に人工透析を導入し、2009年に腎臓がんで左腎摘出、その後、肺、肝転移でインターフェロン、ラジオ波治療を繰り返しました。がんの発症から10年以上たち、16年が最後のラジオ波治療、18年にインターフェロンも中止しています。今後、再発の可能性はどの程度でしょうか。(60代男性)

ステージ4でも進行が緩やかな反面、15年後、20年後の再発も

三浦裕司 虎の門病院臨床腫瘍科部長(東京)

 腎臓がんの組織型についてのご記載はありませんが、最も頻度の高い淡明細胞型と仮定して、また、16年から現在までは、画像検査上の転移病変はないと仮定して、回答させていただきます。

 まず、原発巣から離れた臓器へ転移していることから、ステージ4ということになります。ステージ4とは、基本的にはがんが細胞レベルでは全身に存在する可能性が高いということを意味しており、現時点ではおとなしくしてくれているがん細胞も、いつかは目を覚まして再発する可能性はあると考えます。

 しかしながら、腎がんという病気の一部は、ステージ4であっても非常に経過がゆっくりである場合があり、転移の部位や数によっては局所治療を行いながら経過観察することで、次の再発までの期間を年の単位で保つことができる場合もあります。

 ただし、一般的には、再発を繰り返すうちに、だんだんとその期間が短くなってきたり、再発の個数が増えてきたりして、局所治療だけでは抑えることが難しくなり、薬物による全身治療に移行していくことが多いです。

 このように、腎がんの一部は、進行が緩やかであるという良い点がありますが、一方、画像検査上で、がんが消えている状態が長い期間続いても、晩期にある一定の割合で再発することがあるという悪い面もあります。11年に日本の腎 (がん) 研究会から報告された論文では、初発手術から10年間再発しなかった患者さんにおいても、15年後、20年後にそれぞれ約10%、20%の確率で再発することが示されております (Miyaoら、Urology雑誌 2011年)。

 現在、約4年間も新たな転移が見つからず経過しているというのは、非常に良い経過であり、今後も、これがなるだけ長く続いてくれることを期待しております。そして、これからも定期的な画像検査や、体調の変化がないかの診察を続けられることをお勧めいたします。

 三浦裕司(みうら・ゆうじ) 2002年、鹿児島大医学部卒。10年、がん薬物療法専門医を取得。腎がんをはじめ、泌尿器腫瘍を専門とする腫瘍内科医として臨床、研究に従事。16年から米国テキサス州MDアンダーソンがんセンター泌尿器腫瘍内科へ留学。20年4月より現職。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

医療相談室 新着回答

一覧へ

相談を投稿する

オンライン相談の投稿ができるのは、読者会員に限ります。

  • 相談と回答は紙面に掲載されることもあります。また、外部配信することもあります。すべての相談にはお答えできません。また、個別には回答いたしません。

直接相談する

24時間電話医療相談サービス

相談するには

オンライン相談の投稿ができるのは、読者会員に限ります。読売新聞ご購読者で読者会員登録をされた方が、有料(プラス)登録すると、電話による医療相談が24時間365日ご利用いただけます(相談料・通話料は無料)。

読売新聞読者会員の有料登録は、月額220円(税込)です。

一般会員向け有料サービスは2020年1月31日をもって終了いたしました。このため、一般会員向け有料登録の受け付けを停止しております。