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リングドクター・富家孝の「死を想え」

医療・健康・介護のコラム

コロナ禍の下、女性の自殺者が激増、日本の女性差別が生み出す悲劇

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女性がさらされている心理的な不安

 国税庁の民間給与実態統計調査(2018年)によると、日本の給与所得者数は5026万人でその41%が女性です。女性の平均給与は293万円と男性の54%。非正規の比率は男性が12%に対して、女性は39%になっています。

 また、正規社員であっても、結婚や妊娠で退職した後は、正規ではなく非正規でないとなかなか復帰できないシステムになっています。しかも、女性の職域は、人との接触を伴う医療・福祉、小売り、飲食サービスなど感染リスクにさらされる産業に偏っています。つまり、コロナ禍で圧倒的に「心理的負担」にさらされています。

 ですから、今回のコロナ禍の影響をもっとも受けたのが、こうした女性たちで、とくに働いて子供を育てているシングルマザーたちが苦労を強いられています。

女性リーダーがコロナを克服しつつある

 コロナ禍をうまく乗り切りつつある世界の国の多くが、女性差別がほとんどなく、女性リーダーが活躍する国や地域です。例えば、台湾のリーダー蔡英文総統(64)、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相(40)、アイスランドのカトリーン・ヤコブスドッティル首相(44)、フィンランドのサンナ・マリン首相(35)などは、見事なリーダーシップでコロナ感染拡大を防いでいます。アメリカも今回の大統領選挙で、ようやく副大統領に女性のカマラ・ハリス上院議員(56)が就任します。

 女性リーダーが感染症対策に力を発揮しやすいのかどうか、医師の私にはわかりません。男女平等と新型コロナの影響の関係についても様々な要因が関連していることでしょう。ただ、世界的に見て、コロナは社会の弱いところで被害を多く出している傾向は見られます。高齢者や基礎疾患のある人はもちろん、貧困地区での被害が指摘される国もあります。コロナは、日本の弱点のひとつが女性の社会的な地位だということを改めて浮き彫りにしています。

 この国を率いる菅義偉内閣の女性閣僚はたった2人。世界の趨勢に背を向けた日本は、コロナ禍をうまく乗り越えられるのでしょうか?(富家孝 医師)

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富家 孝(ふけ・たかし)
医師、ジャーナリスト。医師の紹介などを手がける「ラ・クイリマ」代表取締役。1947年、大阪府生まれ。東京慈恵会医大卒。新日本プロレス・リングドクター、医療コンサルタントを務める。著書は「『死に方』格差社会」など65冊以上。「医者に嫌われる医者」を自認し、患者目線で医療に関する問題をわかりやすく指摘し続けている。

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1件 のコメント

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この傾向に思うところありです。

海外シングルマザー

初めまして。 米国で二児の子育てをしている40代シングルマザーです。 在米暦は18年になりますが、心理職のキャリアを積み始めて12年目です。 こ...

初めまして。

米国で二児の子育てをしている40代シングルマザーです。
在米暦は18年になりますが、心理職のキャリアを積み始めて12年目です。
このコロナ禍で、4月から日本に本帰国しようかと、ずっと悩んできました。
家族の存在が近くにいないことが、身に染みて仕方がなかったためです。
しかし10月に、衝撃的な内容のニュースを英語で目にしました。
このコラムの内容とほぼ同じものでした。

改めて本コラムを読んで、本帰国をするには至っていない現在、何が私を留まらせたのかと掘り下げて考えてみました。やはり、帰国後の就職状況はもちろん、日本でのシングルマザーとしての社会的な地位の低さ、世間の目に、どうしても足を踏みとどまらせている状況なのではないかと思い至ります。
40代女性が追い詰められた末の自殺、とありますが、自分と重ね合わせ本当に心が痛みます。周りから見て順風満帆にみえる女優さんでさえ追い詰められる社会。やはりどこかが歪んでいるのだと、私を育ててくれた社会に、愛情と公正な目を持ってしても感じてしまいます。自身の日々の生活に追われながらも、何か、少しでも恩返しをしたいと願う日々です。

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