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40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる

医療・健康・介護のコラム

人生100年時代のお金 大切なのは「ストック」よりも「フロー」です

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 40代から備えよう「老後のお金」は、今回が最終回です。そうはいっても、装いを新たに、今後もシニアのお金について書き続ける予定です。なぜ私が、連載をリニューアルしたいと思ったのか? 今回は、そんなことをお話しします。

人生100年時代のお金 大切なのは「ストック」よりも「フロー」です

イラスト:赤田咲子

多くの「老後」を生きる人に出会い

 理由の一つ目は、とてもシンプルで、私が50代になったことです。
 3年前の 連載初回 では、「私は男の子3人を育てている主婦で、この春、下の双子が中学生になりました。子育てのトンネルを抜けると同時に、 俄然(がぜん) 『老後』が自分事になってきたのです」と書いていますが、50代になった今、老後は、「ドストライクの自分ごと」になりました。

 理由の二つ目は、このドストライク感にあります。自分ごととして、今後の人生を考えた時、「それは『老後』なの?」と思ったのです。取材を通じて、「いわゆる『老後』という時間帯を生きている人」にたくさんお会いしましたが、「老後=老いた後」という語感には、どこか違和感がありました。子育てや介護といった「人生のお役目」を終えた方々は、自分の人生を、粛々と、かつ楽しそうに生きていました。

老後ではなく「シニアライフ」と呼びたい

 こんな経験を通じて、私にとって老いていく将来は、「遠くにある、漠然とした 憂鬱(ゆううつ) な未来」から、「可視化できる現実」になりました。それとともに「そう怖がることでもないな」と、妙な焦りや不安はなくなりつつあります。情報は力です。得体のしれない不安に対してシャドーボクシングをしているより、現実を知り、具体的な対応策を考えた方が心穏やかだと思うのです。

 そもそも、人生100年時代を単純計算すれば、「現役時代43年・リタイア後35年」となります。現役時代の約80%の長さに匹敵する時間を、ただの「老後=老いた後」にしてしまうのは、もったいなさすぎる! もちろん、健康面などで、「今まで通り」ではいかないことが出てくることは承知しています。だからこそ、前向きな気持ちを込めて、そんな時代を「シニアライフ」と呼びたい。そう思うようになりました。

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

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