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感染少なかった岩手、医師ら20人の会食などでクラスター…その後県内に広がる

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 岩手県内では11月、新型コロナウイルスの感染者が急増した。同月に確認された新規感染者数は167人と、県の累計(194人)の86%を占め、3人が死亡した。飲食店や職場、介護施設でクラスター(感染集団)の発生が相次ぎ、医療体制が逼迫ひっぱくすることへの危機感が高まっている。(南敏也)

■「余力ない」

 現在の県内は、家族や高齢者施設、医療機関に感染が広がっている状況だ。

 「感染の連鎖が続いている。医療機関も保健所も余力がなくぎりぎりだ。担うべき役割を果たせなくなる」。盛岡市保健所の矢野亮佑所長は11月29日の記者会見でこう訴えた。この日は高齢者2人の死亡も明らかにし、矢野氏は「高齢者や持病のある人にとって新型コロナは間違いなく脅威。無防備な会食が大切な人を危険にさらしていると胸に刻んでほしい」と呼びかけた。

 30日正午時点の入院患者は重症者2人を含む70人、宿泊療養者は19人。ある県幹部は「急ぎでない手術を取りやめるなど一般医療にも影響が出ている。コロナ対応への緊張が続き、現場は疲弊している」と話す。

■会食から広がる

 感染の広がりの元をたどると、多人数の会食に行き着くケースが多い。

 中でも深刻だったのは、盛岡市大通の飲食店で起きたクラスターだ。この店では、7日に利用した医師や県職員らの感染が相次いで判明。県職員の一人はその後に宮古市の飲食店で同僚と会食。ここから同市の別の店に感染が広がった。

 医師らは7日、約20人という多人数で会食していた。新型コロナに対する「緩み」があった点は否めないだろう。盛岡赤十字病院では、会食に参加した40代の男性医師が診察した患者・元患者6人が感染している。

 中旬以降は高齢者に感染が広がり始めた。4例目のクラスターとなった会社では、盛岡市や滝沢市、矢巾町の社員らの家族らが感染し、複数の高齢者が含まれている。5例目のクラスターに認定されたデイサービスの施設では、洋野町の高齢者や職員、家族らが感染した。県によると、5件のクラスターに関連する感染者は計101人で、11月の感染者数の約6割を占める。

■経路不明は少数

盛岡市中心部の飲食店を巡回し、店の責任者(右)に感染防止策への協力を求める岩手県職員ら(11月25日)

盛岡市中心部の飲食店を巡回し、店の責任者(右)に感染防止策への協力を求める岩手県職員ら(11月25日)

 一方で、今後の感染拡大を食い止められるかもしれない指標もある。感染経路が不明な感染者が、24日時点のまとめで14%にとどまっている点だ。県幹部は「積極的な検査で感染者数は増えたが、クラスターの封じ込めは成果を上げている。市中感染が急増する事態は現時点では避けられている」との認識を示す。

 達増知事は24日の対策会議で、青森県を例に出し、クラスター対策の重要性を強調した。

 同県の感染者は1日で227人(午前0時現在)だったが、30日は295人(午後8時半現在)と68人増だった。知事は「青森では大規模なクラスターがあったが、しっかり対応することで収束し、新規感染者数は少ない状況になっている。岩手もそうなるようにしていく」と話した。

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