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がん患者団体のリレー活動報告

医療・健康・介護のコラム

頭頸部がん患者と家族の会 Nicotto(ニコット)

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 「 頭頸部(とうけいぶ) がん」とは、脳より下で鎖骨より上の顔面頭部から、首全体の領域に生じるがんの総称です。頭蓋内のがん(脳腫瘍など)や眼球のがんは含まれません。頭頸部がんといっても、甲状腺や唾液腺、舌などに生じたがんについてはその部位の名称を取って、「甲状腺がん」などと呼ばれます。頭頸部がん患者は全がん患者の5%ほどしかいません。がんが発生する場所が顔や首なので、傷痕を隠すことが難しいです。食べることや話すことなど、当たり前にできたことができなくなる場合もあります。QOL(生活の質)が著しく低下し、患者さんは心身ともに大きなダメージを受けます。そんな患者仲間や家族が集まって、自然とニコット(Nicotto)なれるような会を目指して活動しています。

 頭頸部がん患者と家族の会 Nicotto(ニコット)

会員が東京・上野に集まって開かれた総会。これからも、みんなが元気に楽しく活動できることを願って記念撮影(2019年6月)

悩みを打ち明け合う「えがおのお茶会」

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今年9月に開催した「えがおのWebお茶会」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で会えなかった間の出来事などを話し合い、楽しくストレスを解消した

 「えがおのお茶会」という交流会を月に1回開催しています。今年5月からはオンラインによる開催となりましたが、頭頸部がん患者会は全国的に数が少ないので、全国どこからでも参加できるこの形は今後も並行していこうと思っています。

 会員の約8割は舌がんの患者です。その他にもいろんな箇所のがんの方がいらっしゃるので、それぞれ同じがんの仲間が集まって悩みを打ち明け合い、悩みの解決法を探ります。参加者はお互い、元気をもらっています。

 「頭頸部がん患者と家族の会」という会の名前に家族という言葉を入れたのは、患者家族も悩みを抱えて困っているからです。患者さんは食事や会話ができにくくなった、外出しなくなった、などの困難に直面しますが、家族は、どのように対応したらいいのか、悩みます。当会では家族の方々も一緒にいらしていただき、家族の方同士で情報交換したり励まし合ったりします。「えがおのお茶会」は、いつも涙あり笑いありのとても温かい時間を過ごせる場となっています。

 公益財団法人正力厚生会から2018年に助成金をいただき、ホームページを開設することができました。

遠足も外食も「みんなでいれば怖くない!」

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患者と家族が参加して埼玉県川越市に遠足に出かけた「ニコット翔(と)んで埼玉ツアー」(2019年5月)

 頭頸部がん患者は様々な後遺症で外出も外食もためらってしまうことが多いのですが、みんなで行く「遠足」は日々のつらさも忘れて楽しむことができます。外食する時には、頭頸部がん患者でも食べやすいような料理をお店にお願いしておきます。患者自身、食事が取りやすいようなスプーンなど「My食事グッズ」を持参してもらいます。忘年会では、食べて飲んで思いっきり楽しんでいます。

様々ながんイベントに積極的に参加

 がん患者やその家族と医療者が共に学び、集い合う「がん患者大集会」や「ジャパンキャンサーフォーラム」などのイベントに積極的に参加しています。「がん患者大集会」では毎年、当会の会長であるムーラン(福智木蘭)氏が司会をしています。また、日本最大級のがん医療フォーラム「ジャパンキャンサーフォーラム」では、会場に展示ブースを出し、会員が会のチラシやグッズなどを紹介しています。他の患者会との交流や新会員との出会いもあります。

 企業などのオンラインイベントへ参加依頼をいただいた時は、会報で参加できる会員を募集しています。

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東京医科歯科大学で2018年11月に開かれた「第14回がん患者大集会」

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国立がん研究センターで2019年8月に開催された「ジャパンキャンサーフォーラム」

「ニコットの絆」を大切にして挑戦し続ける

 全国の頭頸部がん患者の皆様。私たちはがんになったことで、失ったものがいっぱいあります。でも、失ってしまった全てのことを力に変えて、生きがいのある人生を取り戻したいと思いませんか。

 がんになったからこそ、私たちは出会えました。それは、「ニコットの絆」です。夢をかなえるためにこれからも、様々なことに挑戦し続ける患者会でありたいと思っています。

頭頸部がん患者と家族の会 Nicotto

 福岡市を拠点に活動している頭頸部がん患者会「えがおの会」の東京支部として2015年から活動を始めた。16年7月に名称を「頭頸部がん患者と家族の会Nicotto(ニコット)」に改めた。「えがおのお茶会」、遠足、忘年会の開催、がんイベントへの参加、会報メールの発行などの活動を行っている。

 「笑顔をわすれていませんか? 同じ境遇の仲間が『あなた』を待っています!」が、会のキャッチフレーズ。頭頸部がんに悩み苦しむ患者やその家族と、会の活動に賛同しサポートする者が集い、お互いに生き方を語り、励まし合い、精神的に支え合うことを目的とする。また、病気やその治療法の新しい情報を共有し学習することで病気と向き合い、より良い社会生活への復帰を目指している。

ホームページ  https://nicotto.org/

 このコーナーでは、公益法人 正力厚生会が助成してきたがん患者団体の活動を、リレー形式でお伝えします。

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公益財団法人 正力厚生会

 正力厚生会は1943年(昭和18)に設立され、2009年に公益財団法人となりました。「がん医療フォーラム」の開催など、2006年度からは「がん患者とその家族への支援」に重点を置いた事業を続けています。
 現在は、医療機関への助成と、いずれも公募によるがん患者団体への助成(最大50万円)、読売日本交響楽団弦楽四重奏の病院コンサート(ハートフルコンサート)を、事業の3本柱としています。
 これからも、より質の高いがん患者支援事業を目指していきます。
 〒100-8055 東京都千代田区大手町1-7-1 読売新聞ビル29階
 (電話)03・3216・7122   (ファクス)03・3216・8676
  https://shourikikouseikai.or.jp/

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