認知症×発達障害 岡崎家のトリプルケア
介護・シニア
我が計略、敗れたり! 小1男子より手強い母の「なくし癖」…これって発達障害?(下)
介護の1/3は「捜しもの」
父さんの施設から届いた重要な書類はいつも行方不明だし、集金に来た人への支払いのたびにお財布が見つからない。母さんの介護の3分の1は「何かを捜している」状態です。後先考えない行動にも振り回され、そこに身体的な介助が加わるので、私ももうヘトヘトです。ストレスでじんましんが出るなど、とうとう体調に影響が表れ始めました。
「片付けができず、ものをよくなくす」というのは、ADHDの代表的な特性なんですよね……。この「なくしもの女王(私が心の中で母さんに捧げている称号)」を早急になんとかしないと、私がストレスで爆発してしまいそう。
息子には効いたのに
そんなことを考えていると、我が家の「なくしもの王子(=息子のたー君)」のことが頭に浮かびました。自閉スペクトラム症とADHDの症状を併せ持つ彼も、片付けが苦手で、ものをよくなくします。そのことを療育(放課後等デイサービス)の先生に相談すると、「よく使うものなどは、いつも同じ場所にパッと見てわかるように置いておく」ことがポイントだと教えてもらいました。
そこで我が家では、たー君がよく使うものは彼の目に入る場所へぶら下げておくようにしたら、彼自身でかなり整理整頓ができるようになりました!
「アレを母さんにも採用しよう!」と、透明のクリアファイルに病院関連のものを入れて、母さんがいつもの椅子に座ると、ちょうど視線がいく辺りの壁にマグネットクリップで貼り付けることにしました。
ところが、通院の日に実家に行くと、クリアファイルが例の場所から消えています。母さんに聞くと、「病院の情報がむき出しなのがイヤでさ~。違う場所に移したよ」とのこと。……って、わざと一目で中身がわかるようにしたのに!
私のじんましんは当分、消えそうにありません。(岡崎杏里 ライター)
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