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田村専門委員の「まるごと医療」

医療・健康・介護のコラム

「薬剤師の村松さん」ってだれ? 地域に根ざした薬局を求めて

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地域包括ケアシステムにおける役割

「薬剤師の村松さん」ってだれ? 地域に根ざした薬局を求めて

 団塊世代の人がすべて後期高齢者になる2025年問題や、団塊ジュニアが高齢者になる2040年問題という言葉に象徴されるように、少子化、高齢化が進む社会において、地域全体で支え合う地域包括ケアシステムの必要性が指摘されている。その中で、医師や看護師をはじめとする医療関係者、介護スタッフらとともに、薬の専門家として、地域の健康拠点の役割が期待されているのが街の薬局・薬剤師だ。

 2020年9月には、処方箋を受けて薬を出す時以外でも継続的に患者へ情報提供を行うことや、他の医療機関との連携などを定めた改正薬機法などが施行された。法律のうえでも、薬局・薬剤師が地域の人々の健康づくりに日常的に関わることが改めて明記されたわけだ。

患医ねっと代表の「のぶさん」が出版

 だが、医師や看護師、介護スタッフらに比べ、薬局・薬剤師が地域包括ケアの中でどのような役割を果たして、人々の健康づくりにどう関わってくるのか、その姿はまだまだよく見えない。

 今月出版された「薬剤師の村松さん 地域とコラボするカフェ&薬局のカタチ」(評言社MIL新書)は、そんな地域での活動に取り組みたいと考えている薬局・薬剤師にエールを送り、将来へのヒントを与えてくれる一冊だ。著者は、二分脊椎や複数のがん闘病を経験し、患者と医療者をつなぐ活動に取り組む「患医ねっと」代表の鈴木信行さん。ヨミドクターのコラム「新・のぶさんのペイシェント・カフェ」の筆者でもある。

カフェが併設された薬局で

 「ところで、村松さんって誰?」「実在のモデルがいるんですか」。ちよっと変わったタイトルについて、鈴木さんは本を手に取った人からよく尋ねられるそうだ。

 答えは後回しにして、本の内容を紹介しよう。この本は、患者の立場である主人公の「私」が、カフェを併設しているという一風変わった薬局を経営する「薬剤師の村松さん」と町内会の祭りで知り合うところからスタートする。やがて「私」は、ある病気の治療のために薬局の村松さんに相談を持ちかけるようになり……と、物語仕立てになっている。

 「お客さんを待っているだけの店が、お客さんのニーズに応えられるはずはない」。たとえば薬局がカフェとコラボするのも、日頃から顔の見える関係性を築き、いざという時に頼れる街の健康拠点となるための方法の一例だという。

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田村 良彦(たむら・よしひこ)

 読売新聞東京本社メディア局専門委員。1986年早稲田大学政治経済学部卒、同年読売新聞東京本社入社。97年から編集局医療情報室(現・医療部)で連載「医療ルネサンス」「病院の実力」などを担当。西部本社社会部次長兼編集委員、東京本社編集委員(医療部)などを経て2019年6月から現職。

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