常喜眞理「女のココロとカラダ講座」
医療・健康・介護のコラム
「人食いバクテリア」の異名も…溶連菌、大人も喉の痛みと発熱
体調回復しても油断は禁物
溶連菌のような細菌の感染は日中に平熱近くまで熱が下がる傾向があり、夜に再び上がってくることも多い。抗菌薬はすぐ効いてくるわけではないので、安静と栄養補給が必要だ。喉越しの良いものを少しずつでも取るようCさんにアドバイスした。2日後、Cさんに結果を伝え様子を聞くために電話してみると、かなり張りのある声が返ってきた。
今朝からだいぶ体がスッキリしてきたという。検査の結果について、コロナが陰性であったことは良かったが、血液検査の結果、細菌感染で数値が高くなる白血球数が1万3000と高値であり、あらゆる炎症具合の程度を表すCRP(C反応性タンパク)という値が正常値0.3以下のところ18と非常に高値だったので、体調がよくなったように感じても今週1週間は静養が必要だと話した。
敗血症や腎炎に注意
Cさんはこのところ仕事が忙しく疲れがたまっていたようだ。溶連菌感染による咽頭炎といえば冬の子供の咽頭炎というイメージだが、大人も結構感染し、高熱を出すこともある。数年前“人食いバクテリア多発”と話題になった細菌でもある。通常は咽頭炎で済むが、激症型と言われる敗血症の原因菌となることもある。子供では腎炎を引き起こすこともあるので、きちんと医師の指示に従い、経過観察が必要だ。
ウイルス感染は自力で乗り切れるが、細菌感染では抗菌薬が必要になる。抗菌薬はウイルス性の感冒には効かず、やたらに飲むと抗菌薬の効かない菌がはびこるようになるため、安易な服用は禁物だ。自己判断せず、医師とよく相談してほしい。ちなみにインフルもコロナも発熱後(症状が出てから)24時間はたってないと検査結果は、はっきりしない。もし市販もされているアセトアミノフェンという解熱鎮痛薬を飲んで家で過ごせるくらいの体調だったら、発症後1日経って医療機関に行くと効率が良いだろう。(常喜眞理 医師)
2 / 2
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。