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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

「人食いバクテリア」の異名も…溶連菌、大人も喉の痛みと発熱

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 昨日から喉が痛く、昨夕から悪寒がして38.5度の発熱があったと言って、20歳代後半のCさんが来院された。熱が出始めておおよそ1日経過しているが、来院時は37度ちょうどだった。今シーズンは発熱・咽頭痛といえば、コロナやインフルエンザを疑う。しかしそれ以外のウイルスや細菌による感染症の可能性もあり、慎重な対応が必要だ。

急な悪化で窒息

「人食いバクテリア」の異名も…溶連菌、大人も喉の痛みと発熱

 コロナもインフルも他のウイルス感染でも似たような症状があらわれる。喉を見せてもらうと、全体に真っ赤に腫れていた。 扁桃腺(へんとうせん)() みはなかったが、粘膜のむくみが強い。インフル検査、コロナPCR検査、血液検査、溶連菌検査をしたところ、その場でわかるインフル検査は陰性、溶連菌検査が陽性だった。

 コロナが同時に感染していないとは言い切れない時代だが、まずは溶連菌による咽頭炎を治療しなければならない。治療は抗生物質の内服だ。Cさんがペニシリンという抗生物質にアレルギーがないことを確認して処方した。

 喉の腫れが結構ひどいので、もし夜に腫れがひどくなり、口を大きく開けられなくなったり、息苦しいと感じる場合は、すぐに夜間救急に行くよう伝えた。腫れが急に悪化すると、喉頭浮腫という喉を塞いで息ができなくなってしまう状態になることがあるからだ。皆がなるわけではないので怖がることはないが、息がしにくいほど喉の腫れを感じたら、すぐ大きな病院に行ってほしい。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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