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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

医療・健康・介護のコラム

痔の悩み、軽度ならマッサージがおすすめ 日帰りで手術も

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 Kさんはよく便秘と下痢を繰り返すので整腸薬について相談したいと来院された。便秘のあとに下痢が続くのはしょっちゅうなんですと、会社員で20代後半のKさんは言う。在宅勤務が増え、トイレにも自宅なら気軽に行けるので構わないのですがと、言いづらそうにKさんは切り出した。肛門に痛みがあるとのことだった。

 一通りお腹の診察をしたが、すぐ心配するような所見はなかった。Kさんは数か月前に肛門科で診察してもらい、軽い切れ () であると診断されていた。塗り薬の処方をしてもらい、一時は良くなったが、また痛みが出て困ってしまったという。私のところへ受診した目的は、整腸薬云々というより痔の相談だったのだ。

「レディースデイ」「女性医師限定」も

痔の悩み、軽度ならマッサージがおすすめ 日帰りで手術も

 痔は実は子供にも多い。便秘となっても下痢を起こしても、肛門のトラブルは簡単に生じる。あらゆる年齢で大抵の方が経験するといってよい、ありふれた疾患だ。肛門周囲にはとてもよくできた筋肉があり、便やおならを出すのに、開いたり閉じたり忙しい。働きがよい筋肉であるがゆえに、血液の流れもたくさん必要で、うっ血しやすいのだ。

 しかし、ありふれた疾患とはいっても、やはり女性は肛門の相談をしにくい。肛門科を受診するのにかなりハードルが高いのは仕方ないだろう。最近では、肛門科もレディースデイと称して女性患者さんだけに限定するという時間を設けたり、担当医師を女性に限定して選べたりと工夫されている肛門科もあり、大変ありがたい。それでもそこまでたどりつけなかったり、通い続けるのが大変な時は、まずはかかりつけ医で対応できるので相談してほしい。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に『オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)、『お医者さんがやっている「加齢ゲーム」で若返る!』(さくら舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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