Dr.えんどこの「皮膚とココロにやさしい話」
医療・健康・介護のコラム
内服薬のせいで体中に発疹が出る「薬疹」 刑事のごとく聴き取る問診で原因探し

こんにちは。皮膚科医のえんどこです。
薬疹という皮膚疾患があります。ひょっとしたら、読者の皆さんの中でもご経験ある方がいらっしゃるかもしれません。自分が内服した薬剤のせいで、体中に発疹が出てきてしまうものを言います。正しくは、内服した薬剤もしくは、その代謝産物によって生じた発疹のことです。
発疹が体中に出現しますので、病気といえば病気ですが、考え方によっては、必ずしもそうとも言い切れないような気もします。このような、薬疹を疑うような発疹を診た際には、我々皮膚科医はまず「最近、飲み薬が新しく増えたり、別の薬に変更されたりしませんでしたか?」と問うのが一般的です。原因としては、発疹の出る直前に追加や変更された薬剤の可能性が高いからです。
まずは追加、変更した薬剤を確認
もし質問通りの返事であれば、新しく追加された薬剤や変更された薬剤を確認して、処方した先生に薬剤の中止または変更を依頼します。追加や変更がない場合には「病院で処方された薬剤以外に、市販の薬剤やサプリメント、もしくは置き薬などを内服したとかはありますか?」ともう少し突っ込んだ質問をします。毎日内服する薬剤以外のものが原因であることも少なくないからです。
実際、その原因が、ひどい生理痛の時にのみ内服している市販の鎮痛薬であったこともありましたし、お年寄りが頭痛時に内服していたいわゆる“置き薬”であったこともありました。このようなプロセスを踏みながら、少しずつ原因にたどり着いていくわけです。他の皮膚疾患と決定的に異なる点は、最も重要なのが「問診」だということです。いわゆる原因薬剤の絞り込みですね。ここに最も時間をかけるといっても過言ではないくらいで、本当に重要です。
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