中川恵一「がんの話をしよう」
医療・健康・介護のコラム
発がんの最大の要因は「運」!?
遺伝子のコピーミスでがん細胞が発生
がんは増殖に関する遺伝子に変異が積み重なって細胞が不死化することが原因です。そして、細胞分裂の際に、この突然変異がもっとも起こりやすくなります。
細胞の分裂に先だって、遺伝子の複製が行われますが、ここでDNAが不安定となり、遺伝子の「コピーミス」が起こることがあります。この突然変異が、たまたま発がんに関連する遺伝子に起こると、がん細胞ができやすくなります。
心臓にほとんどがんができないのは、心筋細胞では原則、細胞分裂がみられないため、突然変異もみられないことが理由です。
脳には悪性の脳腫瘍ができることがありますが、これは神経細胞から発生するものではありません。神経細胞は、常時伸縮している心筋細胞と同様、極度に「分化」していて(電気を使って、情報通信を行っています)、細胞分裂は行えません。神経細胞を支え、自身は細胞分裂も行う「神経膠(こう)細胞」から多くの悪性脳腫瘍が発生するのです。
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