文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

知りたい!

医療・健康・介護のニュース・解説

新型コロナの影響で8割増 世界2億7000万人が飢餓に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

国連WFP(世界食糧計画)が支援訴え

新型コロナの影響で世界2億7000万人が飢餓に

 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大で、飢餓に苦しむ人が8割以上増え、2億7000万人にーー。今年のノーベル平和賞に選ばれた国連WFP(世界食糧計画)の日本事務所代表を務める焼家直絵(やきや・なおえ)さんらが11月17日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見し、受賞に至った活動内容の報告とともに、新型コロナウイルス感染症がもたらしている世界的な飢餓の拡大に対して、今こそ国際的な連帯が重要であると強く訴えた。

紛争、自然災害、貧困、気候変動、男女格差などの問題が絡み合い

 国連WFPは食糧支援をメインの活動とした世界的な人道支援組織だ。飢餓をゼロにすることを使命にしており、毎年80か国以上で約1億人に対して食糧支援をしている。焼家さんは「今回のノーベル平和賞受賞は、世界中で飢餓に苦しむ人にスポットライトをあて、新型コロナウイルス感染症による飢餓パンデミックに警鐘を鳴らす機会になった」と話す。

 焼家さんによると、飢餓は紛争、自然災害、貧困、気候変動、男女格差などさまざまな問題が複雑に絡み合って発生する。現在、食糧不安を抱える人たちは世界で約6億9000万人。最大の原因は紛争で、60%が紛争地に住んでいるとされる。

 また、途上国では自然災害によって一気に食糧不安に陥るという。十分な社会保障制度などがないため、自然災害などがきっかけで住居や収入を失うと対応できないためだ。

新型コロナがもたらす飢餓

 特に今年の新型コロナウイルスの発生拡大では、世界で急性の食糧不安に陥った人は以前より8割以上増えて、2億7000万人に達している。「世界は飢餓パンデミックの瀬戸際にある」と訴える。

 新型コロナウイルス感染症が、なぜ飢餓をもたらすのか。焼家さんは、よく質問されるという。

 焼家さんは、「日本では想像しにくいかもしれないが、経済が停滞することで失業や収入の減少が起こり、出稼ぎに出ている家族からの仕送りも減る。難民などもともと脆弱(ぜいじゃく)な立場で苦しんでいる人々の生活をより一層、逼迫(ひっぱく)させる。食費が支出の大部分を占めるため、収入の減少が食費の減少に直結してしまう」などと説明した。

 WFPは1億3800万人への支援を決定し、「ワクチンができるまで、最大のワクチンは食べ物だ」と事務局長は述べたという。

今こそ国際的な連帯の重要性

 焼家さんは、ブータン、スリランカ、シエラレオネなど世界各地で19年間活動してきた。なかでも、シエラレオネでは、エボラ出血熱が流行していた当時のシエラレオネ事務所副代表として、隔離された村への食糧支援を継続した。致死率の極めて高いエボラウイルスの感染の危険とも隣り合わせのなかで、「村人からの感謝の言葉が忘れられない。体力的にも精神的にも厳しい状況だったが、誰も取りこぼさないという使命を再認識した」などと振り返った。

 食糧支援は平和を実現するための第一歩であり、紛争や武力衝突をなくさない限り、飢餓の解決はあり得ないという。

 「新型コロナウイルス感染症による世界的な飢餓の拡大に対して、最も重要なことは何だと考えるか」という記者の質問に対して、「国際的連帯、多国間協調主義が、今だからこそ求められている」と強調した。

 会見では、WFPが緊急支援を行っている国の一つ、イエメン事務所副代表を務めるラスムス・エーゲンダルさんもオンラインで参加し、イエメンの現状や支援の必要性などを訴えた。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

知りたい!の一覧を見る

<PR情報>

最新記事