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精子から見た不妊治療

医療・健康・介護のコラム

精巣にいいのはブリーフよりもトランクス?

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造精機能が正常なら神経質になる必要なし

 男性下着に話を戻しましょう。陰のうを冷やすという点ではトランクスの方が良いように感じますが、そうかといって、ぴったりのブリーフ着用の方が、みなさん不妊だという話は聞きません。労災病院の先生から、患者が股間に保冷剤を当てていたという話も伺いましたが、過度の冷却も悪影響があります。

 では、ノートパソコンを膝において作業するのはどうでしょうか。最近のノートパソコンは省電力であり、発熱は最小限に抑えられています。パソコン自体の熱よりも、同じ姿勢で長時間のパソコン作業をすることによる下半身の血行不良の方が、精巣に影響があるかもしれません。

 話をまとめましょう。造精機能が正常な方なら、精巣に十分な余力があるので、短時間の温度上昇にあまり神経質になる必要はありません。長期間だと悪い影響がありますが、環境が改善すれば精巣機能は回復するので、気になったら注意する程度でかまわないと思います。

 ただし、精子を作る製造ラインが一部しか機能していない方は、その貴重な精細管を守るためにも、良いと思われることはできるだけなさってください。さらに、このような方は数か月単位で精液の状態が悪くなることもあるので、早めに精子を凍結保存(精子貯金)しておくことをお勧めします。(東京歯科大学市川総合病院・精子研究チーム)

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精子から見た不妊治療

兼子 智(かねこ・さとる)
東京理科大大学院、慶應大大学院修了。薬学博士、医学博士。東京歯科大市川総合病院産婦人科非常勤講師


黒田 優佳子(くろだ・ゆかこ)
慶應大医学部卒、同大学院修了。医学博士。「黒田インターナショナル メディカル リプロダクション」院長


萩生田 純(はぎゅうだ・じゅん)
慶應大医学部卒。博士(医学)。東京歯科大市川総合病院泌尿器科講師


中川 健(なかがわ・けん)
慶應大医学部卒。医学博士。東京歯科大教授,同大市川総合病院副院長、泌尿器科部長、副リプロダクションセンター長


高松 潔(たかまつ・きよし)
慶應大医学部卒。医学博士。東京歯科大教授,同大市川総合病院産婦人科部長、リプロダクションセンター長

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