文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

医療・健康・介護のニュース・解説

窓開けっ放しは「寒い」・高機能の設備は「高い」…飲食店、悩む感染対策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
窓開けっ放しは「寒い」・高機能の設備は「高い」…飲食店、悩む感染対策

一部の窓を開けて営業する居酒屋。従業員が机などを消毒していた(17日午後、大阪市北区で)=宇那木健一撮影

 冬本番を前に、居酒屋などの飲食店が新型コロナウイルス感染防止のための換気対策に苦心している。政府はこまめに換気するよう呼びかけるが、店内に冷たい風が吹き込むことで客足がさらに遠のく恐れもある。コロナ禍で経営が苦しく、換気設備を導入する余裕のない店もあり、飲食店は再び試練を迎えている。

客足戻ったのに

 「忘年会シーズンは一番の稼ぎ時だが、寒いとお客さんの滞在時間が短くなり、売り上げが落ち込むのでは」。大阪市北区の居酒屋「炭火バルあじと」の水本良太店長(35)は不安そうに話した。

 同店では、出入り口の扉2か所とガラス窓8枚のうち4枚を開け、換気をしながら営業している。寒さが本格化しても、ストーブを設置して続けるという。

 4~6月の約3か月間休業し、再開後も客足が2割減っていたが、政府の飲食店支援事業「Go To イート」が始まってから、ようやく例年並みまで戻ってきたところだった。感染の「第3波」の到来に、水本店長は「お客さんを感染させないことを考えれば、締め切るわけにはいかないし……」とこぼした。

 福井市中心部の繁華街にある居酒屋「わらび片町店」では、1時間に1回、出入り口の扉や窓を開けている。例年12月頃には雪が降り始めるため、同店の運営会社はヒーターなど暖房器具の購入も検討している。中村敏明社長は「アルコール消毒液などに加えて寒さ対策の経費までかかるとなると、経営は苦しくなる」と表情を曇らせる。

導入に補助金

 政府は、寒い環境でも換気扇などの機械を使って常時換気し、機械が設置されていない場合は窓を開けるよう求めている。

 環境省は、飲食店やスーパーなどを対象に、室内の熱を逃がさずに換気する高機能の設備を導入した場合に補助する制度を作り、今年度の補正予算で30億円を計上した。中小企業が運営する施設の場合、1000万円を上限に費用の3分の2を補助する。6~7月の募集期間中、1000件超の応募があり、約850施設への支給が決まった。

 大阪市港区の酒店「大沢本店」は今月上旬、隣接する立ち飲み居酒屋の店内に、換気設備3台を設置。費用700万円のうち、600万円は環境省や大阪府の補助金で賄ったという。

 大沢本店代表の大沢岳志さん(45)は「夏場はクーラーが利いていても窓を開けるお客さんが目立った。換気設備が整ったことで、安心して飲食してもらえると思う」と話した。

減収で余力なく

 ただ、環境省の事業はすでに予算の上限に達した。コロナ禍で客が減る中、高性能な換気設備を自力で導入する余裕のない店も少なくない。東京・神田のJR神田駅近くの立ち飲み屋「あかしや」では、店主の岩佐保さん(85)が入り口2か所の扉を開けっ放しにして、送風機2台を置いて空気を入れ替えている。10月の売り上げは前年同時期の半分以下になったこともあり、換気設備の導入は資金的に難しいという。岩佐さんは「あるものを活用してできる限りの対策をするしかない」と話す。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

<PR情報>

最新記事