街で障害のある人と出会ったら~共生社会のマナー
医療・健康・介護のコラム
お店でマスクができない認知症の人 頭ごなしに否定しないで…「新しい生活様式」になじむ工夫を
ヨミドクターをご覧のみなさま、サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。今回は、コロナ禍における認知症の人の困りごとと周囲のサポートについて考えていきます。
周囲からの冷たい目が…
認知症の進行を遅らせるためには、生活習慣病対策を基本とした規則正しい生活を送ることが大切と考えられています。具体的には、バランスの取れた食事を取ること、適度な運動をすること、脳の働きを活性化させるような人との交流や知的活動などを行い、健康的な生活を送ることです。
実際、日頃から運動をしている人は、まったくしていない人に比べ、認知症になる可能性が低いことや、野菜や果物、魚を多く食べている人は、そうでない人に比べて、発症の危険度が低いこと、友人や親族と会わない、めったに外出しない、手紙を書かない、電話をかけないなど、他人とあまりかかわらない生活を送っていると、認知症が進みやすくなることがわかってきています。
ところが今は、新型コロナウイルスの影響で、外出をしたり、人と会ったりすることが難しくなっていますし、「新しい生活様式」が理解できなかったり、なじむことができないことから、外出をためらう高齢者もいます。また、認知症の症状の一つである記憶障害や判断力の低下のために、手洗いやうがいをする習慣を身につけることができない、マスクをすることの意味が理解できないといったケースもあります。「買い物先で物に触れないよう注意されても、それが理解できず触ってしまう」「人と距離を保つために距離を空けて並ぶように印があっても、それが理解できないため、うまく並ぶことができない」といったことで、周囲から冷たい目で見られてしまうという困りごとも起きています。
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理解はしますが、やはりこの世の中、マスクをしていない(見た目は)成人の方がいたら、そばに寄りたくありません。同じ空間にいる状況は避けたいと思います。「できないんだから仕方ない」と、こちらに譲歩を求められるのは違うのではないかと思います。
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