町田忍の昭和回想
回想サロン
バチバチと トロリーバスが 火花出す
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
トロリーバス
排ガスを出さないし、線路を敷設する必要もない。トロリーバスは路面電車とバスの長所をあわせ持つ優れた乗り物だが、国内ではほとんど見なくなった。私が最後にトロリーバスに乗ったのは、イラストで描いた横浜市営のもので、1972年に廃止された。電線から長く伸びた2本の棒から電気を取り込む方式で「無軌条電車」と呼ばれ、鉄道の一種に分類される。
電線から外れてしまった棒を、運転士さんが長い棒を持ってくっつける姿が記憶に残っている。たまに電線とショートして、バシッと光る姿も印象的だった。1968年に渋谷でも見かけたが、都内ではその頃が最後だったようだ。メインテナンスに手間がかかるということも姿を消した原因というが、もっと活躍してほしかった。
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