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コロナ予防の手洗い・消毒で増える「手荒れ」 こまめに保湿を

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 新型コロナウイルスの感染防止のため、頻繁に手洗いや手指の消毒をすることが日常的になった。その影響で手荒れに悩む人が増えている。日々のケアについて専門医に聞いた。(平島さおり)

■乾燥やひび割れ

コロナ予防の手洗い・消毒で増える「手荒れ」 こまめに保湿を

手荒れについて説明する田尻院長

 「皮膚がかぶれた」「ひび割れができた」――。

 宮崎市の皮膚科医院「たじり皮膚科医院」では、国内で新型コロナの感染が拡大した3、4月頃から、手荒れに関するこんな相談が増えた。「アルコール消毒による悪化を訴える患者さんが目立ちます」と田尻明彦院長は話す。

 田尻院長によると、皮膚には潤いを保つためのバリアとなる「皮脂膜」がある。手指消毒によく用いられるアルコール消毒液には脱脂作用があり、繰り返し使うことでこの皮脂膜を壊してしまう。その結果、皮膚から水分が逃げて柔軟性がなくなり、かさつきや亀裂が生じるという。

 特にアトピー性皮膚炎や乾燥肌の人などは、手荒れを発症しやすい。

 荒れた肌はバリア機能が低下しているため、外からの刺激を受けやすい上に、細菌がつきやすく、消毒しても菌が残りやすい。とびひの原因となるブドウ球菌や、傷を悪化させる溶血性連鎖球菌が付着し、ジュクジュクした状態にまで悪化することもあるという。

 田尻院長は「手指の消毒や手洗いは感染防止に有効だが、同時に手には刺激となるため、こまめなケアが必要」と話す。

■異なる効用

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 予防するにはどうすればいいのか。

 田尻院長は「まずは保湿剤を塗り、失われた皮脂や水分を補うことが大切」と話す。ただ、保湿剤は様々な種類があり、それぞれ効用が異なる。例えば、「ワセリン製剤」は皮膚に膜を張ることで水分の蒸発を防ぐ。「ヘパリン製剤」は水分を保つ作用があり、「尿素製剤」は皮膚を柔らかくする。医師に相談し、症状などに合ったものを処方してもらうのがよいという。

 保湿剤は 軟膏なんこう タイプやローションタイプにも分かれる。軟膏タイプは保湿力は高いが、べたつくため日常生活で支障と感じる人もいる。一方、ローションタイプはさらさらして使いやすいが、浸透力が高いため、刺激が出ることがあるほか、こまめな塗り直しも必要だ。

 細菌に感染するなどして症状がひどい場合は抗生剤の飲み薬を使うこともある。

 手指がひび割れて痛い時や、細菌感染を起こしている場合は、患部にガーゼを当ててテープなどで固定するのが有効だ。手軽なばんそうこうを直接貼る人も多いが、蒸れて症状が悪化することがあるため、避けたほうがいいという。

 田尻院長は「これからの季節はより空気が乾燥してくる。手洗いや消毒後のこまめな保湿を心がけてほしい」と呼びかけている。

<日頃のケアのコツ(田尻院長への取材に基づく)>

  • 手洗いや手指消毒をするたびに、保湿剤を塗る
  • 寝る前も夜間に乾燥しないよう保湿剤を塗る
  • 軟膏やクリームの適量は、チューブタイプの場合、人さし指の先から第一関節まで延ばした量が片手全体分の目安
  • 症状が出ている場合は、薬はすり込まず、皮膚にのせるようにして厚めに塗る
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