メディカルトリビューン
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生活習慣を改善するつもりがない理由とは? 厚労省・2019年「国民健康・栄養調査」
厚生労働省は昨日(10月27日)、2019年「国民健康・栄養調査」の結果の概要を発表した。それによると、生活習慣の改善に関心はあるが「改善するつもりはない」との回答が、男女とも最も多く約4分の1を占めたという。この結果は、食習慣と運動習慣の両方で示されたが、理由はそれぞれ異なっていた。
BMI標準および肥満者で「食習慣を改善するつもりはない」
調査は昨年(2019年)11月現在で1歳以上の者を対象とし、同月内に実施した。
生活習慣慣改善の意思調査は20歳以上の男女に行い、意思を7つに分けた。
- 改善することに関心がない
- 関心はあるが改善するつもりはない
- 改善するつもり(おおむね6カ月以内)
- 近いうちに(おおむね1カ月以内)改善するつもり
- 既に改善に取り組んでいる(6カ月未満)
- 既に改善に取り組んでいる(6カ月以上)
- 問題がないため改善する必要はない
食習慣の改善については、男女とも「関心はあるが改善するつもりはない」の割合が最も多く、男性(2,658人)は24.6%で、女性(3,016人)は 25.0%であった。男性では次いで「食習慣に問題がなく改善する必要はない」21.4%、「改善することに関心がない」16.5%の順であった。女性では「食習慣に問題がなく改善する必要はない」21.3%、「既に改善に取り組んでいる(6カ月以上)」15.6%が続いた。
BMI別に見ると、BMIが普通および肥満の者では、男女ともに食習慣改善には「関心はあるが改善するつもりはない」の割合が最も多かった。一方、痩せの者では「食習慣に問題がなく改善する必要はない」が最多であった。
健康な食習慣を妨げる理由(複数回答可)については、男女とも「特にない」の割合が最も多く(男性36.0%、女性34.6%)、次いで「仕事(家事・育児など)が忙しく時間がない」(男性25.1%、女性29.6%)、「面倒くさい」(男性23.5%、女性26.8%)の順だった。
運動習慣が定着しない理由は多忙で時間がない
運動習慣改善の意思については、「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者が男女とも最も多かった(男性23.9%、女性26.3%)。さらに運動習慣の有無別に見ると、運動習慣がある者では「既に改善に取り組んでいる(6カ月以上)」(同34.3%、40.5%)が、習慣がない者では「関心はあるが改善するつもりはない」(同31.2%、28.2%)が男女ともに最多だった。
運動習慣の定着を妨げる理由としては、「仕事(家庭・育児など)が忙しく時間がない」(全体38.1%、男性36.9%、女性39.0%)、「面倒くさい」(同27.6%、27.7%、27.6%)、「特にない」(同20.2%、21.8%、18.9%)が挙げられた。さらに意思別に見ると、「関心はあるが改善するつもりはない」「改善するつもり」「近いうちに改善するつもり」「既に改善に取り組んでいる(6カ月未満)」者では、「仕事(家庭・育児など)が忙しく時間がない」が35.4~51.2%で最も多かった。それに対し、「改善することに関心がない」「既に改善に取り組んでいる(6カ月以上)」者では、「特にない」との回答が23.3~23.5%で最も多かった。
詳細は別途公表予定
2019年調査は従来の肥満、糖尿病、血圧などの基本項目に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、ウェブサイトを含む生活習慣に影響を及ぼしている情報源や、非常用食品の常備といった社会環境の整備を反映した項目を新たに加え、重要項目とした。結果の詳細はあらためて発表される予定。(田上玲子)
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