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幼児にブドウ 窒息防ぐには?

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与えるなら4分割して

幼児にブドウ 窒息防ぐには? 幼児にブドウ 窒息防ぐには?

  見て見て、直売店で買ったブドウ。3歳の息子が喜ぶわ。

 ヨミドック 立派ですね。でも大き過ぎないですか、3歳児には。9月に事故がありました。

  東京都八王子市の認定こども園で4歳児が給食のブドウを喉に詰まらせて亡くなった事故ね。自宅で食べさせるから大丈夫よ。

  「よくかんで」と声をかけ、見守れば事故は防げる、というのは甘い考えです。自宅でもブドウの窒息事故は起きています。日本小児科学会の傷害速報には、1歳児と2歳児の例が報告されています。

  どんな事故?

  1歳児の例は、父親が背中をたたいても、詰まったままで、救急外来に搬送されましたが、亡くなりました。2歳児の例は、母親が抱いて外に出たら、通行人が、子どもの腹部を上に圧迫する救命処置をしてくれ、ブドウの塊が出て助かりました。いずれも2013年の事故です。

  それ以降は?

  わかりません。この速報は、再発防止のために、診察をした医師らが任意で報告するものなのです。

  何だか心配になってきた。せっかくのブドウ、どうしよう?

  日本小児科学会の委員会は、ブドウやミニトマトなど、ある程度の硬さがあって球形で、表面がツルツルしている果物や野菜は、5歳未満の幼児には、4分の1以下の大きさに切って与えるよう推奨しています。

 内閣府などによる教育・保育施設向け安全指針では、ミニトマト、ブドウ、節分豆などの豆類、もち、イカなどは、給食での使用を避ける食材と指摘しました。こうした食材の危険性を、家庭に情報提供することが必要とも。

幼児にブドウ 窒息防ぐには?

  そうだったの……。

  各施設の安全対策には差があります。園庭でミニトマトを栽培する、節分行事で豆をまくという園は、園児がミニトマトをもぎとったり、まいた豆を拾ったりして、窒息するリスクがあります。

 「注意して」「子どもの様子をよく見守って」との呼びかけだけでは、事故は防げません。4分割すれば与えてよいのか、ある年齢までは与えない方が無難か、具体的な対策をとることが大切です。

 (中島久美子/取材協力=山中龍宏・緑園こどもクリニック院長、西田佳史・東京工業大教授)

 ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。

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