尿酸値「わずかに異常」
7月の健康診断で尿酸値が血液100ミリ・リットル当たり2・2ミリ・グラムで「わずかに異常」と言われました。1年後の健診結果をみることになりましたが心配です。普段は同3ミリ・グラムぐらいです。病院を受診した方がよいでしょうか。(67歳女性)
他に異常なければ経過観察
市田公美 東京薬科大学病態生理学教室教授(東京都八王子市)
健康診断のほかの検査で、血糖や肝機能などに異常が見つからなければ、次回の健診まで経過観察してもよいと思います。
著しく低い尿酸値が長く続く状態を「低尿酸血症」と言います。多くの場合、尿酸値が血液100ミリ・リットル当たり2ミリ・グラム以下の状態を指します。
自覚症状がなく、ほかの検査で何も異常が見つからない場合は、遺伝子の変異が関連した腎性低尿酸血症やキサンチン尿症などが考えられます。これらを治療する必要はありません。
ただ、腎性低尿酸血症は激しい運動後に腎障害を起こす運動後急性腎障害や尿路結石が、またキサンチン尿症では尿路結石が起きることがあります。これらの合併症の予防のために、水分摂取を十分に行うことが大切です。特に腎性低尿酸血症では激しい運動を控えるなどの日常生活上の注意が必要です。
質問者の尿酸値は血液100ミリ・リットル当たり2・2~3ミリ・グラムとのことですので、典型的な低尿酸血症ではありませんが、低尿酸血症になる何らかの遺伝的な素因を持っている可能性は高いと思われます。合併症のリスクはそれほど高くない尿酸値ですが、今後の健康診断では、腎臓に関連する検査の結果に注意してください。日常生活では水分を十分に取ることを意識してください。