医療大全
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詠んで生きる<2>延命より人生の満足度
髄膜炎による脊髄損傷で7年前、肩から下の運動機能を突然失った歌人の有沢 蛍 さん(71)は、口述筆記で短歌や文章を書き続けた。今春、エッセー集「虹の生まれるところ」をまとめた。
病気の理不尽さに驚き、苦しみながらも、短歌と祈りによって、心の健やかさを取り戻す道程が読み取れる。在宅療養の中で、窓からの景色を楽しみ、やがて、車椅子で花見や観劇にも挑戦する。「不条理な運命を新しい自分として自らの意志で選びたい」という境地に達していた。
だが、本の出版前に再入院する。二酸化炭素が肺の中にたまって一時 昏睡 状態になり、気管を切開して挿管する人工呼吸器を使わなければ、あと数日しか持たないと宣告された。
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