一病息災
闘病記
[声優 森川智之さん]ぜんそく(5)所属声優の体調にも目配り
2011年に独立して、声優事務所を設立した。現役の声優であると同時に、50人以上の声優(準所属含む)を抱える事務所の社長でもある。
社長として特に気を配っているのが、声優の体調管理だ。仕事が立て込んで、のどを使いすぎたと感じた時には無理をしないよう、スケジュールを調整するようにしている。
「マネジャーに自分の体調をきちんと伝えられるのも、プロとして大切な仕事のひとつ」
仕事に穴をあければ、自己管理のできない人間としてレッテルを貼られかねない。無理をして失敗したかつての自分の経験が、社長業に生かされているという。
コロナ禍で、声優の仕事の現場も大きく変わった。防音で密閉されたスタジオに、以前は20~30人がひしめいて、3、4本のマイクの前に代わる代わる立っては、発声していた。
最近は、一度に全員が集まるのではなく、時間割を決めて2、3人ずつスタジオに入る。マイクとマイクの間は、アクリル板で仕切られている。
「声優がマイクを奪い合うようにしていたスタイルが、ずいぶん昔のことのように感じます」
きょうも、魅力的な声を響かせる。
(文・田村良彦、写真・小倉和徳)
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声優 森川 智之 さん(53)
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