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外科医手作り ミニ舁き山 福津の病院 コロナ退散願い展示

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完成した舁き山を担ぐ石川さん(左)と細川さん

 新型コロナウイルスの感染拡大で今夏の開催が見送られた博多祇園山笠。伝統の神事に情熱を注ぐ“山のぼせ”の外科医2人が、コロナ退散の願いを込めた全長70センチの小さなき山を作った。勤務する福津市の宗像水光会総合病院に飾られ、病と闘う患者や家族を勇気づけている。

 同病院肝胆膵外科部長の石川博人さん(52)(福岡市西区)と心臓血管外科の細川幸夫さん(46)(同市博多区)。大学ラグビー部の先輩と後輩の間柄で、鹿児島生まれ宮崎育ちの石川さんは西流奈良屋町一区の赤手拭あかてのごい、生粋の博多っ子で幼い頃から山笠に参加してきた細川さんは土居流上新川端町の取締とりしまりを務めている。

 「櫛田神社に山笠を奉納するという日常がなくなり、寂しかった」と石川さん。そんな時、細川さんが病院に持ってきたのが、実物の舁き山と同じ工程で組み上げる8分の1の大きさのキットだった。土居流や中洲流の舁き山などを手がける山大工の棟梁とうりょう、稲舛積さん(70)が、ヒノキやカシ、杉といった実物と同じ木から一つずつ部材を削り出す本格的なもの。石川さんは「山を舁けない代わりに、毎年山笠への参加を応援してくれる患者さんたちに見てもらいたい」と制作に挑戦することにした。

ロウで作った眼球を埋め込んだ素戔嗚尊

 しかし、組み立てはかなり難しい上、土台にあたる山台と舁き棒しかない。石川さんはコロナ退散の願いを込め、山台の上に素戔嗚尊すさのおのみこと八岐やまたの大蛇おろちを退治する神話の場面を紙粘土や毛糸で自作。コロナに見立てた大蛇を強くにらみつけようと、何度も作り直したというロウの眼球を埋め込んだ。昨年の「お汐井しおいとり」ですくった清めの砂を山台につり下げるなど、細部まで実物の再現にこだわった。山笠では先輩の細川さんが助言し、仕上がりを確認した。

 帰宅後に毎日2~3時間作業し、2か月半がかりでようやく完成。今月上旬から、病院1階に展示している。石川さんは「リハビリで院内を歩く患者さんに、『先生の山笠を見て元気がわいた』と喜んでもらえたことが何よりうれしい」と話す。

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