石蔵文信の「男と女の楽しい更年期!」
医療・健康・介護のコラム
夫のやることなすことに腹がたつ…夫婦の問題は「愛の深さ」で解決するのか?
夫婦問題の悩みを相談する番組を見ていました。妻(30代のような感じでした)の相談は、「夫のやることなすことに腹がたって切れやすくなる」ということでした。相談に乗ったのは有名な役者さんです。
夫の言動がストレスになる妻ですが、愛情がなくなっているわけではなさそうです。そこで、「あなたには、愛情の深さが足りないのでは?」というようなアドバイスがありました。そして、「夫に変化してもらうより、自分が変わることが大切だ」とのことでした。後半のアドバイスはもっともなのですが、深刻に悩んでいる方に、「愛情の深さがまだ足りない」と言うのはいかがなものでしょうか?
それだと、極端に言えば、「愛情があれば何をやっても許される」ということになってしまいます。ただでさえ男性は、「愛があるのだから、いちいち口に出す必要はない」とか、「少々のわがままは、愛があれば許される」と思っている節があります。だから、妻から別居や離婚を切り出されると、「俺はこんなに愛しているのに……なぜ?」などのセリフがよく聞かれるのです。
愛の深さを測定する機器はない
愛とは、そして、その深さとは、何なのでしょう?
これは、医学において、「ストレス」を測定するのと同じぐらい難しいことだと思います。世の中に、愛の深さを測定する機器があれば、もっと夫婦問題は簡単に解決することでしょう。そのような客観的な指標がないのですから、愛情が浅いとか深いとか言われても、何をもって判断するのか、私には分かりません。
ある人は、高価な宝石をプレゼントされることを、大きな愛情と思うかもしれません。ある人は、お金がなくても、常にサポートしてくれるのを愛情と感じるかもしれません。愛情は個人の感覚であり、環境によっても大きく異なるでしょう。
男女の愛情はホルモンに大きく関係?
私は、我々の愛情というのは、ホルモンに大きく関係しているような気がしています。男女とも、思春期に性ホルモンがバンバン産生され、異常に異性を求めるようになります。これは動物の繁殖期と同じです。多くの動物のオスは、繁殖期に、命がけでメスを取り合います。命を落とすオスも少なからずいるようです。「なんでそこまで頑張るのか?」と私は疑問に思いますが、性ホルモンの分泌が急速に高まって、「子孫を残そう」との強い思いが、命知らずの行動を引き起こすのかもしれません。
一方、メスは、どのオスの遺伝子が優れているのか、じっくりと品定めをします。このような行動は、人間にも多少あるでしょう。
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