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40代から備えよう「老後のお金」 楢戸ひかる

医療・健康・介護のコラム

乳がん検診に引っかかって考えた 高齢期の持病に備える医療保険とは?

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 半年ほど前、自治体の乳がん検診に引っかかりました。通知が来た時に思ったのは、「しまった! 高齢期の保障を見直しておくべきだった」ということでした。

乳がん検診に引っかかって考えた 高齢期の持病に備える医療保険とは?

イラスト:赤田咲子

「保険加入の選択肢が狭まる」というリスク

 結論から言えば、乳がんの専門医に見てもらった結果、がんではありませんでした。検査の結果を伝える担当医師に、その場で聞きました。「今、保険に加入できますか?」と。

 医師は、「現時点では、厳しいですね。半年後、再度、検診にいらっしゃい。その時に大丈夫であれば。ただ、告知(健康状態を保険会社に伝えること)の段階で加入を断られたり、加入できたとしても、『この部位は保障しません』といった条件引き受けになる可能性があります。いずれにせよ、最終的な判断は保険会社が行います。保険会社から診断書の記入を求められたら、僕が書いてあげますよ」と、言われました。

 こんなふうにがん検診でひっかかったり、病気を経験したりすると、加入できる保険の選択肢が狭まったり、保険料が割高になったりすることが多いのです。病気を経験した後の保険加入については、情報が少なく、可視化しづらいため、意外な盲点だと思います。

高齢期の持病は、「ダラダラ」とお金がかかる

 ところで、「高齢期に必要な保障」とは、どんな保障だと思いますか? 持病を抱える可能性が若い時よりは高くなるので、私は、それに対してのリスクヘッジが必要だと考えています。最近、「治療と仕事の両立」といった言葉を耳にした人もいるでしょう。

 当然、必要な保障は、若い時とは違ってきます。最近の医療保障には、「1入院60日限度」といった感じで、「保障する入院期間を短く」⇒「保険料を安く」という方向性のものが多い印象です。ここで大切なのは、「日額1万円で60日入院した際、もらえる保険金は60万円(その他の給付金は勘案しない場合)」といった感じで、保険金額を具体的に試算してみることです。つまり、60万円の貯蓄を持っていれば、その分の保険料を他のリスクヘッジに回すこともできるのです。

 私は、 医師が講師を務めるファイナンシャルプランナー向けの勉強会に参加することもある のですが、下記の図のように、高齢期の持病は、ダラダラと長い期間にわたって医療費がかかるイメージがあります。

乳がん検診に引っかかって考えた 高齢期の持病に備える医療保険とは?

*高額療養費制度を考慮した後の自己負担限度額。直近12カ月の間に3回以上高額療養費の対象になった場合、4回目以降はさらに自己負担額が下がります。(資料提供:チューリッヒ生命)

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

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