町田忍の昭和回想
回想サロン
妻よりも 長い付き合い 「カブト虫」
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
フォルクスワーゲン
わたしの愛車は1973年に購入した「カブト虫」で、もう半世紀近く乗っている。小学生時代、近所のおじさんが黒のフォルクスワーゲンに乗っていて、大きくなったら自分も欲しいと思っていた。
親に買ってもらえることになり、大学生の時、カタログを取り寄せた。電話で車を注文しようとしたが、いたずらと思われたのか、なかなか信じてもらえない。母親に電話を代わってもらい、ようやく話が通じ、駐車場に納車された。
免許は持っていたが、操作方法がよくわからず、朝早く起きて近所で練習を繰り返した。以来、この車一筋。包み込んでくれるような乗り心地が、ずっと気に入っている。結婚して42年になる妻よりも長い付き合い。今では、わたしの体の一部になっている。この車とは、一生の付き合いになりそうだ。
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