夫と腎臓とわたし~夫婦間腎移植を選んだ二人の物語 もろずみ・はるか
医療・健康・介護のコラム
移植患者やドナーの保障…病気でも入れる保険・共済 闘病に情報も必要だ!
腎移植も保障の対象になる特約
しかし、古川さんは、時代は変わったのだと言う。
「もろずみさんが患われていたIgA腎症患者さんでも入れる保険はあるんですよ。寛解後5年を超えていることなどの条件はありますが」
末期状態に至った私に入れる保険はないのだけど、こうした「病気でも受け入れます」という保険会社のスタンスは、持病を抱える人間にはじんわりとしみる。
そうした条件が、比較的ゆるく設定されているのが、約10年前に販売が始まった「引受基準緩和型」の医療保険や終身保険なのだという。保険料は通常より高めに設定されているが、保険会社への告知事項が通常よりゆるく設定されているのが特徴だ。例えば、オリックス生命の告知事項を見ると、以下の3項目すべてに該当しなければ、保険に加入できる可能性がある。

2年前に私が受けた腎移植についてはどうだろう。調べてもらった結果、加入できる保険会社がいくつかあった。例えば、フコク生命は、 移植医療特約 をつけることで、手術給付金の他に、腎移植手術の初回は300万円、2回目は100万円の一時金が支払われる(通算して3回を限度とする)。
ドナーは対象外だという。自身の治療を目的とした入院・手術にあたらないため、原則として、入院・手術給付金は支払われないのだそう。
ドナーへの保障を設けているのは、こくみん共済の 「病院入院特約」 (団体向け商品、個人は不可)で、生体間における移植ドナーに限り、入院日額の10倍の「ドナー支援金」が支払われるそうだ。
「顔見せNG」も可能なオンライン相談
こうした話を聞いていると、病と闘うためには情報が必要だと思わずにいられない。だって、「知らない」というだけで、保障される金額が変わってくるのは切ないし、「あの時もっと調べていたら」なんて後悔はしたくない。
ちなみに、コロナ禍の中、保険の相談はオンラインで行えることをご存じだろうか。古川さんが勤める保険代理店「保険クリニック」(アイリックコーポレーション)では、お客が求めれば「本人の顔出しなし」で相談することも可能だという。
多くの人にとって、保険は人生で2番目に高い買い物だ。誰に 忖度 することもなく、じっくりライフプランを練って将来に備えたいものだ。(もろずみはるか 医療コラムニスト)
監修 東京女子医科大学病院・石田英樹教授
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