教えて!ヨミドック
医療・健康・介護のニュース・解説
歯ぎしり 放置して大丈夫?
歯や顎に負担 要注意
Q 怒られちゃった。「寝ている時の歯ぎしりがうるさい」って。なぜ歯ぎしりをしてしまうの?
ヨミドック 遺伝や睡眠の質の低下、ストレスなど、要因はいくつか考えられますが、明確には分かっていません。かみ合わせや歯の本数にも関係ないようです。歯が一本もなくても起きます。
Q へぇ! びっくりだ。
ヨ 睡眠時の歯ぎしりは、「睡眠時ブラキシズム」と呼ばれ、治療の対象になることがあります。放置すると、歯がすり減ったり、詰め物や差し歯などが傷んだり外れたりすることも。食いしばることで顎の筋肉に負担がかかり、 顎 関節症につながる恐れもあります。
Q 治療するかしないか、どうやって調べるの?
ヨ 従来は歯のすり減り具合や、同居家族からの指摘、起床時の顎の痛みやだるさなどの状況から診断していました。ただ、歯のすり減りは昔の歯ぎしりの名残かもしれません。今もしているか、正確に把握できません。
Q そりゃそうだ。
ヨ そこで4月からは、寝ている時の顎の筋肉の動きを調べる検査に、公的医療保険が認められるようになりました。客観的なデータに基づいた診断ができるようになったんです。
Q よかった。治療は?
ヨ 多くは、歯科医院でマウスピースを作ってもらいます。歯へのダメージを軽減します。次に睡眠時ブラキシズムの要因を取り除きます。
不安定な睡眠が歯ぎしりを誘発する可能性もあるので、寝る前のカフェイン摂取や、スマートフォンなどの使用を控え、昼間に日にあたるなど、質の高い睡眠が重要です。
Q ほかには?
ヨ ブラキシズムは睡眠時以外にも起こることがあるので、無意識の食いしばりを改める心がけも大切です。前歯から奥歯まで上下の歯が少し離れていて、舌が口の中で浮いているのが、通常の口を閉じた状態。「口を閉じて歯を離す」と、寝る前に強く言い聞かせる自己暗示で改善したとの報告もあります。
Q 僕の歯ぎしり、どうしよう?
ヨ 頻繁にしていると言われたり、顎の筋肉のだるさや痛みなどがあったりすれば要注意です。歯科医院に相談してみてください。
(野村昌玄/取材協力=福岡歯科大・坂上竜資教授、北海道大・山口泰彦教授)
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