声優 森川智之さん
一病息災
[声優 森川智之さん]ぜんそく(3)医師に自分をさらけ出す
「君、今日は 録 れないから」。若い頃、風邪気味の声で臨んだ収録現場。有無を言わさず、帰らされた。
「自分一人のせいで、スタッフにも他の声優さんにも、スタジオの費用などの面でも、迷惑をかけてしまった。体調管理ができないなんて、プロとして、やってはいけないことだと痛感しました」
もともと、風邪を引きやすい体質。のどに違和感があると、こじらせないようにと、小まめに医師に診てもらっていた。
「実は、ぜんそくと診断されて初めて、声優の仕事をしていることを医師に明かしました」
それまでは、治療の相談をする際にも「どうしても外せない仕事があって」とは話しても、声優であることは伏せていた。あまり個人情報を公にしたくないとの思いがあったが、もうそんなことは言っていられなかった。ぜんそくを悪化させて、仕事に穴を開けてしまってからでは遅い。
仕事のスケジュールについても、医師に具体的に説明するようにした。休めない事情も含めて相談し、薬の処方の調整などをしてもらっているという。
自分をさらけ出したことで、医師とのやりとりがスムーズにできるようになった。ぜんそくと付き合うには、医師とのコミュニケーションが大切だと感じている。
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声優 森川智之 さん(53)
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