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手首痛み 「偽痛風」の診断

 手首が腫れて痛くなりました。けんしょう炎と思い、整形外科を受診すると、「 偽痛風ぎつうふう 」で痛み止めと湿布薬をもらいました。尿酸値は高めで薬を服用中。慢性腎臓病で通院しています。偽痛風について教えてください。(83歳女性)

抗炎症薬内服が一般的治療

玉井 和哉 東都文京病院副院長 (東京都文京区)

 偽痛風は、ピロリン酸カルシウムという石灰物質で引き起こされる急性の炎症です。ピロリン酸カルシウムは中高年の関節軟骨、半月板などに沈着することが多く、膝、肩、足首、手首などでよく起こります。何かの刺激でピロリン酸カルシウムの結晶が関節の中にこぼれ落ち、それを体が排除しようとして強い炎症が起こります。けんしょう炎と紛らわしいこともあるでしょう。

 痛風は、血液中の尿酸が増えすぎた場合に、尿酸ナトリウムの結晶が関節の中に出て、それを排除する時に強い炎症が起こる病気です。痛風も偽痛風も結晶が炎症を引き起こす点は共通で、原因物質が異なります。

 痛風を予防し、腎臓病を悪化させないために薬で尿酸値を下げる、今の治療は大切です。

 偽痛風の治療では、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の内服が一般的です。通常、10日ほどで痛みが取れてきます。関節に多量の水が まった場合は針を刺して水を抜き、ステロイドを注入することもあります。同様の症状が手首や他の関節に再発したら、その都度、薬の治療をする方がよいでしょう。

 残念ながら有効な予防法はありませんが、急に運動するなどの刺激は避ける方がよいと思います。

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