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医療・健康・介護のコラム

[女優 久保田磨希さん](上)「自分ではないだれかになりたい」との思いから女優の道へ

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 代えのきかない 稀有(けう) な名バイプレーヤー――。それが久保田磨希さんの印象です。アクの強い奥女中を演じた「大奥」、なんと32歳で女子高生役に挑んだ「アタックNo.1」など、テレビドラマにおける奇演、怪演の数々は多くの人の脳裏に焼き付いています。一方、素顔のご本人は、非常に控えめで生真面目な大人の女性。自分自身にコンプレックスを持ちながら、芸能界にあこがれた少女時代から、女優の夢を実現させるまでについて、ざっくばらんにお話いただきました。(聞き手・染谷一、撮影・武田裕介)

[女優 久保田磨希さん](上)「自分ではないだれかになりたい」との思いから女優の道へ

この体格じゃなかったら女優は考えなかった

――女優になろうと考えたきっかけは?

 子どものころから、ずっと自分が嫌だったんです。小学6年生のときに168センチもあるほど成長が早く、顔も今とあまり変わりませんでした。いじめられた経験があるわけではなかったのですが、大人っぽく見られてしまい、みんなから頼られたり、友達のお母さんから「磨希ちゃんと一緒なら大丈夫ね」と言われたり。

 そんな状況が窮屈で、いつも「誰か別の人になりたい」と思っていたし、自分を知っている人のいる世界から出て行きたかったんです。

 だから、この体格じゃなかったら、女優を考えなかったと思います。

――大人っぽく見られるコンプレックス? 

 常にそれがありました。クラスの集合写真には、一人先生が入っているみたい(笑)。それに、実家が 寿司(すし) 屋で、両親は毎晩遅くまでお店に出ていたため、小さいころから、いつも自宅にはベビーシッターさんがいました。ところが、小学校に上がる前ぐらいに、私がシッターさんに気を使うようになってしまって……。

――子守りをされる側が、する側に気を使ってしまったのですか?

 それで1年生のときに、母親に頼んでシッターさんにはやめてもらって、ずっと一人で過ごしていました。

――今の言葉でいうところの「大人がウザい!」と感じていたのではなくて?

 そうではないんです。とにかく、一人のほうが気楽だなと感じていたんです。とはいえ、やっぱり寂しいから、いつもテレビはつけっぱなしでした。画面の中は、とてもキラキラと楽しそうな世界でした。女優さんにあこがれていたかは覚えていないんですが、「テレビの中の人」になりたいとの思いはずっと持っていました。

空気を読むタイプの少女時代

――「自分ではないだれかになれる」「ここではないどこかに行ける」を、テレビの中に見つけたわけですね。

 そうです。ただ、こんな外見なので、私には女優さんはムリだとも思ってはいました。小学生のとき、「将来の夢」という課題の作文では、格好をつけて「看護師さんになりたい」などと書いていたんですが、それは「女優さん」とは書けなかったから(笑)。本当はテレビの中の人になりたかったのに。なにしろ、トレンディードラマの全盛期なんか、三枚目的な役もきれいな人が演じていた時代ですから。

[女優 久保田磨希さん](上)「自分ではないだれかになりたい」との思いから女優の道へ

――小さいころから、ずいぶん空気を読むタイプだったのですね。「こんなこと書いたら、先生から鼻で笑われてしまうかもしれない」と考えてしまうような。

 かわいくないですよね(笑)。

――それでも、やがてプロの女優としてデビューし、現在も活躍しています。夢は実現させました。

 最初は、「テレビの中の世界を作る人」になろうと考えました。それで大阪芸大放送学科に入学したんです。テレビの裏方の仕事を学ぶ学科です。

――いわゆる制作部門ですね。

 はい。だけど、せめて大学生のときぐらいは、裏方だけではなく、演じるほうをやってみようと考えて、演劇部に入部しました。そうしたら、先輩が出る予定だった芝居に、すぐに代役で出ることになってしまったんです。お母さんの役でした。入学したばかりの1年生なのに、老けていたから(笑)。

 そのときに、周囲から、私の演技をすごく評価してもらえたんです。それがもう気持ちよくて。「あ、私、演じる側に回ってもいいのかな」と考えたら、もうやめられなくなって。それからですね、女優の道を志したのは。

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