文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

メディカルトリビューン

メディカルトリビューン

心筋梗塞後の性行為、早期再開で予後向上か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 性行為と心筋梗塞(MI)の関係についてはさまざまな研究結果が報告されているが、MI発症後に性行為の再開を躊躇する患者は少なくない。こうした中、MI後早期の性行為再開が長期予後の向上に関連していたとする研究結果が明らかになった。MI発症から3~6カ月後の性行為の頻度が発症前より増加または変化しなかった群では、頻度が減少した群と比べて全死亡リスクが35%低いことが示された。イスラエル・Tel Aviv UniversityのYariv Gerber氏らが Eur J Prev Cardiol(2020年9月22日オンライン版) に発表した。

約500例を中央値で22年追跡

心筋梗塞後の性行為、早期再開で予後向上か

※画像はイメージです

 性行為は心拍数と血圧の上昇を伴う身体活動の一種であるが、高強度の身体活動はMIの引き金になる可能性がある。さらに、性行為が心血管イベントを引き起こすことも指摘されている。その一方で、日常的な身体活動は長期の有害アウトカムのリスクを低下させることが知られている。こうした中、Gerber氏らは今回、イスラエルにおけるMI患者のコホート研究のデータを用いてMI後の性行為の再開と長期予後の関連について検討した。

 対象は、MI初発患者の前向きコホート研究(Israel Study of First Acute Myocardial Infarction)の参加者のうち、MI発症前に性行為の機会があった65歳以下の495例(年齢中央値53歳、男性90%)。対象に1992~93年の入院時および3~6カ月後に聞き取り調査を実施し、その中で性行為の頻度についても尋ねた。

 「性行為の再開」は、自己報告によるMI発症前と比べた発症後の性行為の頻度の変化に基づき判定。また、国民登録データを用いて全死亡および原因別死亡を追跡した。

がんなどの非心血管死リスクは44%低下

 その結果、MIの発症前と比べて発症後に性行為の頻度が増加したまたは変化がなかった患者は263例で、全体の53%を占めていた。また、中央値で22年の追跡期間に211例(43%)が死亡した。

 Cox比例ハザードモデルを用いた解析の結果、ベースライン時の社会経済的状況や抑うつ、身体活動、肥満、自己評価に基づく健康状態、MIの重症度で調整後の全死亡リスクは、MI後に性行為の頻度が減少または性行為の機会が全くなかった患者と比べて頻度が増加または変化しなかった患者では35%低かった〔ハザード比(HR)0.65、95%CI 0.48~0.88〕。

 また、MI後に性行為の頻度が増加または変化しなかった患者におけるリスクの低下度は、がんなどの心血管疾患(CVD)以外の疾患を原因とした死亡で大きく、性行為の頻度が減少または性行為の機会が全くなかった患者と比べて44%の非心血管死リスク低下が認められた(HR 0.56、95%CI 0.36~0.85、 )。

図.MI後性行為の頻度が増加または変化なし患者の死亡リスク

心筋梗塞後の性行為、早期再開で予後向上か

(Eur J Prev Cardiol 2020年9月22日オンライン版)

 以上を踏まえ、Gerber氏らは「MIの発症から数カ月以内の性行為の再開と長期生存の間に正の関連が認められた」と結論。また、「この研究結果はMI後早期の性行為再開に対する不安の軽減に寄与するものだ」と述べている。(岬りり子)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

medical-tribune-logo

メディカルトリビューン
メディカルトリビューン はこちら

メディカルトリビューンの一覧を見る

<PR情報>

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事