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がん診療の画像下治療広がる…苦痛緩和 高齢者にも

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 がん患者に対し、画像で体内の様子を見ながら治療する画像下治療(IVR)が広がっています。進行したがんの苦痛を和らげたり、がんを縮小させたりすることを目的に、大がかりな外科的処置をせずに行う治療です。患者の負担も軽減されるため、体力が低下した高齢者にも対象を広げられる特徴があります。(加納昭彦)

がん診療の画像下治療広がる…苦痛緩和 高齢者にも

  カテーテル使用

 IVRによる治療はコンピューター断層撮影法(CT)や超音波などの画像を確認しながら、カテーテルと呼ばれる細い管を血管内に通したり、皮膚から針で刺したりして進めます。

 IVRは、がん患者の苦痛を和らげる治療で効果を発揮しています。進行した 膵臓すいぞう がんを患う東京都の50歳代の女性は5月、両足が腫れ上がり、膝が曲がらなくなりました。椅子に座ると皮膚がひっぱられて激しい痛みに襲われました。

 国立がん研究センター中央病院(東京)の主治医に診てもらい、肝臓に転移したがんが「下大静脈」と呼ばれる血管を圧迫し、下半身の血液が心臓に戻りにくくなっていることなどが、むくみの原因とわかりました。外科手術や薬物、放射線療法でも症状の改善が難しい状態でした。

 女性は、主治医の紹介で、同病院IVRセンターの荒井保明さんの治療を受けることになりました。脚の付け根と首からカテーテルを通して磁気共鳴画像(MRI)で確認しながら、血管の狭くなった部分にステントと呼ばれる金属製の網状の筒を挿入します。治療を終え血流が良くなり、むくみがとれた女性は「苦痛がなくなり、買い物にもいけます」と喜んでいます。

  医療機関は限定

 がんを縮小させる目的でIVRを活用するケースとしては、肝臓がんや腎臓がんなどへの治療に公的医療保険が認められています。どちらもまず、超音波の画像などでがんの位置を観察します。

 肝臓がんの場合は、特殊な針を皮膚の表面から患部に刺し、ラジオ波と呼ばれる電磁波を発生させて焼くラジオ波 焼灼しょうしゃく 療法があります。腎臓がんでは、先端が極めて低温になる針を皮膚からがんまで刺し、がん細胞を凍らせて破壊します。荒井さんは「チューブを通す小さな傷ができる程度で、局所麻酔ですみます。治療時間や入院期間が短いのが利点です」と説明します。

 しかし、現状ではIVRを実施する医療機関は限られています。IVRは主に放射線科医が担当します。日本IVR学会によると、学会認定の専門医は1085人(5月現在)。専門医が在籍する病院は331か所で、東京や大阪など大都市に偏る傾向があります。

 石川記念会HITO病院(愛媛県四国中央市)緩和ケア内科統括部長の大坂巌さんは「緩和医療の分野では、IVRをあまり知らない医師が多い。特に地方でさらに普及させる必要がある」と指摘します。

 保険が適用される治療が限られている点も課題の一つです。荒井さんは「有効性を調べる臨床研究を一つずつ進め、適用拡大を目指したい」と話しています。

 IVRを希望する場合、まずは主治医に相談しましょう。同学会ホームページで、専門治療を受けられる医療機関を確認できます。

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