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医療・健康・介護のコラム

[俳優 木下ほうかさん](下)コロナ禍の自殺…うまくいっている人ほど絶望するんですよ。不思議じゃないですね

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一時は「コロナうつ」 バイクがなかったら、危なかったかも

[俳優 木下ほうかさん](下)コロナ禍の自殺…うまくいっている人ほど絶望するんですよ。不思議じゃないですね

――趣味のバイクは、機械自体が好きなんですか。

 バイクは10年くらいやめていたんですが、去年の5月ぐらいに、昔の古いバイクを見つけて、忘れていた熱が急に再発しました。ただまあ、そのバイクに夢中になったおかげで、一時は「コロナうつ」みたいになっていた精神面の不調を解消できました。もし、バイク熱の再燃がなかったら、僕も危なかったかもしれない。

――それは驚きです。仕事が突然なくなってしまったショックで?

 ぼくたちの仕事は不確かですから、不安なんですよ、みんな。はたから見ると、何が不足なんだって思えるような、うまくいっている人ほど絶望するんですよね。必ずしも、おちぶれて死ぬんじゃない。いい時に死んでしまうというのは、すごくわかります。何も不思議じゃない。

――バイクに乗っていると、その不安を忘れられる?

 というか、怖いんです。石ころ一個でバーンと飛びかねないし、自分が安全運転していても、対向車が逆走してきてぶつかるかもしれない。そして、車と違って箱に入らず、裸で乗っている。でも、それがいいんです。

――リアルに死を感じるということですか。

 昔だったら半袖半パンでしたが、今はちゃんとプロテクターをつけて乗っています。だから、いろいろ矛盾しますけど、リスキーだからとやめていたことを、あえてやることで自分の中のバランスを取っているんですよね。

 それに、56歳というのは死んでもおかしくない年齢だし、実際、昨今、近い年齢の人が何人も死んでいます。突然死、心臓や脳の病気とか、がんとかで。自分も「死ぬグループ」に入ってきたというのも感じています。

俳優業30年 今が一番気分がいい

――仕事も順調で多趣味なのに、そんなことを考えてしまう?

 あります。でも、この仕事をやって30年、今が一番、気分がいいです。それまで、食えずに苦しんだ時期もあったし、ある程度、食えるようになっても、趣味がなくて休日にやることなく、すごく苦しんでいた時もありました。

 でも、56歳になって、まあまあ仕事も増えつつ、趣味もできた。今はまだコロナですけど、仕事は結構来るようになってきましたね。だから、今回わかったことは、まだ自分の需要はある、まだ使いたい人がいる、ということ。病気せず、けがをせず、逮捕されなければ、さらに不倫もしなければ(笑)、だいじょうぶだってわかりました。

――毎日が充実しているから、結婚はしなくてもいいと?

 離婚したくないんです。テレビでもよく言ってますが、結婚にすごく慎重なんです。僕たちの親の世代って、離婚しないじゃないですか、耐えてしまうし。子供のころ、離婚ってめったに聞いたことがなかった。でも、今の人は耐えないでしょ。

 本人だけならいいですよ。天涯孤独なら。でも、結婚は相手の親がいて、親戚ができて、家族も増える。儀式をして神の前で誓って、たくさんご祝儀もらって、あんなに「よろしくね」って言ったのに、離婚て……。僕の友人は、バツ8で子供も何人かいて、毎回ちゃんと結婚式もしているんですが、考えられないですね。

――仕事ではイヤミな役が評判ですが、自身としてはどうなんですか。

 それで認められてきたのは確かですし、どんな役でも演じることには変わりはないです。でも、やっぱり、顔が売れて目立つほど、「あいつ、本当にそういうやつなんだ」って思われやすいから、つらいですね。

――もっとイメージのいい役も増やしたいですか。

 ずっと言っていますが、純愛ものの主役で、最後に病気で死ぬベタな役。絶対にありえないけどね(笑)。

俳優 木下ほうかさん

きのした・ほうか 1964年、大阪府生まれ。高校時代に映画「ガキ帝国」(1981)で俳優デビュー。大阪芸術大学を卒業後、吉本新喜劇を経て上京。個性派俳優として、数多くのテレビドラマや、映画、バラエティー番組に出演。著書「僕が骨髄提供をした 理由(わけ) 。言うほどたいしたことなかったで~!」(辰巳出版)

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