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中川恵一「がんの話をしよう」

医療・健康・介護のコラム

前立腺がん検診で命を救われるのは1000人のうち1人 治療で50人が勃起障害に

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重要なのは「治療が必要な患者」の選別

 わずかな例外を除き、前立腺がんで命を落とすことはまれなのです。そのため、早期発見が無駄になる場合が多くなります。実際、腫瘍マーカー「PSA」による前立腺がんの検診の利益と不利益について説明するとこうなります。「受診者1000人中、検診で死亡を回避できるのは1人。一方で、手術などの治療によって50人に勃起障害、15人に排尿障害が発生」

 過剰な治療を避けるため、早期でタチの悪くない前立腺がんに対しては、「監視療法」が国際的な標準治療として確立しています。「療法」という名前がついていますが、実際には治療はせず、慎重に経過を観察します。

 欧米での大規模な研究でも、監視療法を採用した場合の10年生存率は、手術や放射線治療と差がないことが分かっています。

 ただし、前立腺がんによる死亡がゼロではないのも確かです。本当に治療が必要な患者を選別できる簡便な検査法が見つかることを期待しています。(中川恵一 放射線科医)

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中川 恵一(なかがわ・けいいち)

 東京大学大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。
 1985年、東京大学医学部医学科卒業後、同学部放射線医学教室入局。スイスPaul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、社会保険中央総合病院(当時)放射線科、東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現職。2003~14年、同医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。患者・一般向けの啓発活動も行い、福島第一原発の事故後は、飯舘村など福島支援も行っている。

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