狭心症
圧迫感 狭心症の治療後も
安静時に、みぞおちから肩、首の辺りにわたり、絞られるような圧迫感が30分ほど続きます。5年前から3か月ごとに起こっており、昨年には狭心症が見つかりました。金属製の器具で冠動脈を広げる治療を受け、半年後の検査でも異常はありませんが、症状が治まらず心配です。(76歳女性)
専門病院でカテーテル検査を
下川宏明 国際医療福祉大副大学院長(千葉県成田市)
心臓には、心筋に血液を送る3本の「冠動脈」があります。冠動脈の異常が原因で、胸痛などの症状が表れる病気が狭心症です。
比較的症状が安定している「安定狭心症」は、〈1〉冠動脈が動脈硬化で狭くなる〈2〉冠動脈のけいれん〈3〉心筋内の微少な冠動脈の異常――の三つが主な原因です。
相談者は、〈1〉について金属製の器具で血管内を広げるステント治療を受けたようです。検査でも問題はないようですが、みぞおちや首にかけての症状が治まらず、圧迫感を感じる時間も比較的長いことなどから〈3〉の可能性が考えられます。〈2〉が合併しているかもしれません。
〈3〉は「微小血管狭心症」と呼ばれ、閉経前後の女性に多いとされます。痛みなどを感じる範囲が胸部にとどまらず、運動時や安静時に関係なく生じること、持続時間が長いことが特徴です。冠動脈を広げるための「ニトログリセリン」が効いたり効かなかったりします。
治療は、冠動脈を広げる「カルシウム 拮抗 薬」や血管機能を改善する「ACE阻害薬」などが処方されますが、診断は容易ではありません。
循環器専門病院で、カテーテル(細い管)を使い冠動脈の血流を測定する検査などを受ける必要があります。