頸椎症
「変形性頸椎症」 長年の痛み
長年「変形性 頸椎 症」で悩んでいます。首回りの圧迫感や、突き刺さるような両肩や背骨の痛みが毎日です。ブロック注射や 牽引 などのさまざまな治療を受けてきました。「首の手術は、術後がつらい」と医師に言われました。どうしたらいいでしょう。(71歳女性)
全身動かす運動 始めてみる
金谷幸一 金谷整形外科せぼね・骨粗しょう症クリニック院長(東京都板橋区)
首の背骨と背骨をつなぐクッションの役目をしている椎間板がつぶれていると思われます。加齢に伴い、様々な症状があると変形性頸椎症と診断されます。
これまでの治療は適切で、相談者は頑張ってこられたと思います。
変形性頸椎症で手術を勧められるのは、脊髄症や神経根症がある場合です。
脊髄症では、両手足のしびれ、動きの悪化、階段を下りるのが怖くなる――などの症状が出ます。首の骨の中を走る太い神経(脊髄)が障害されておこります。
神経根症は、主に片方の首、肩、手にかけての痛み、しびれ、力が入りにくいなどの症状があり、脊髄の枝(神経根)の障害によるものです。
手術により症状がすっきり改善する可能性が低いため特別な理由がない限り手術にはなりません。相談者も手術の対象にはならないと思います。
今後は、ラジオ体操など全身を動かす運動を、医師の指導のもとで始めてみてください。長年にわたる痛みには、様々な薬も用いられます。
痛みをゼロにすることを目的にするのではなく、少しでも症状が軽減しているなら続けてください。また、「痛みがあってできない」と考えるのではなく、「痛みがあるけれど、こんなことができた」と自分をほめることも大切です。