町田忍の昭和回想
医療・健康・介護のコラム
バネはじけ 天井裏の 捕物帳
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
ネズミ捕り
今もネズミは都内の繁華街にいて、出合ってびっくりすることがある。ネズミは、いつの時代でも厄介者だ。むかし、天井裏でドタバタと活動しているネズミがいて、父が始末しようと奮闘していた。
当時、どこの商店街にも1軒はあった「荒物屋」に、今回紹介するバネ式や捕獲網などのネズミ退治用器具は売られていた。ちなみに荒物屋とは、ザルやほうき、ちり取りなどの雑貨を扱う店のこと。
ネズミ捕りには、写真のように、おりの中へと誘い込んで閉じ込めるタイプもあるが、一番手頃なのが絵に描いた板に強力なバネをつけたタイプ。金具の先に餌となるものを刺して、そこにバネをセットして棒で押さえておく。餌を食べようとネズミがその金具にさわると、バネがはじける。
実際に仕掛けてみたところ、バネに挟まれて死んでいるネズミの始末に困った。最近のネズミは利口で、この手の捕獲器には引っかからないとか。現在でもたまに、「荒物店」「金物店」などで見かけるので、需要はあるのだろう。
【関連記事】
※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。
※個人情報は書き込まないでください。