山中龍宏「子どもを守る」
医療・健康・介護のコラム
給食の白玉を吸い込んだ小1が脳死状態に…加工食品の窒息 タピオカ、こんにゃく入りゼリーにも注意
前回は、ブドウやミニトマトなどの自然食品による窒息を取り上げました。今回は、加工食品による窒息についてお話しします。
消費者庁の報告 によると、食品による窒息死は、子ども(14歳以下)では、年間に約20人発生しており、その8割が6歳以下です。原因となった食品は、7割のケースで「不明」でしたが、判明している加工食品には、菓子類(マシュマロ、ゼリー、団子など)、パン類( ホットドッグのウインナーソーセージ 、菓子パンなど)、肉類(焼き肉、唐揚げなど)、餅、すし、球形の個装チーズ、そうめんなどが挙げられています。その他、こんにゃく、ちくわ、グミキャンデー、丸くて硬いキャンディー、球形のガム、ポップコーンなどが、のどに詰まることも知られています。

イラスト:高橋まや
フルーツポンチに入っていた白玉が…
いくつか、事例を挙げてみましょう。
事例1:1歳4か月男児。午後3時半、保育所でおやつ(ラムネ・ベビーカステラ)を食べていて窒息し、39日後に死亡した。(2010年10月、愛知県碧南市)
事例2: 2歳2か月男児。自宅でたばこ状の形をした砂糖菓子をのどに詰まらせ、3日後に死亡した。砂糖菓子は、直径6~7ミリ、長さ53ミリ。 (2014年4月)
事例3: 1歳7か月男児。保育所の給食の時間に、2センチ×2センチに分割された高野豆腐が二つ一緒に出て、一度に二つ、口に入れた。保育士が注意して、一つを口から出させた。残った高野豆腐を1、2度かんだだけでのみ込み、のどに詰まらせた。8日間入院した。[PDF1ページ目] (2016年2月)
事例4:小学1年生男児。給食に出された白玉汁の白玉を吸い込んだ。窒息して脳死状態になり、3年後に死亡。(2010年2月、栃木県真岡市)
事例5:2歳女児。市立保育園で、フルーツポンチに入っていた白玉風の団子をのどに詰まらせて、約1か月後に死亡した。(2012年7月、栃木県栃木市)
* 上記の2件は、同じメーカーが作った白玉団子であった。2例目の窒息死が起きた時、テレビの取材を受けた行政担当者は、「前回の時、危険性を周知しておけばよかったと後悔している」と話していた。
事例6: 3歳くらいの子ども。タピオカがのどに詰まった子どもを助けたというSNS発信があった。調べたところ、海外では死亡例も報告されている。 (2019年8月)
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こんにゃくゼリー大好き
ミント
こんにゃく入りゼリーも白玉も事故が起きやすいと分かっているはずなのに、小さい子供が食べられるようにしている親や保育所、学校が悪いと思います。 こ...
こんにゃく入りゼリーも白玉も事故が起きやすいと分かっているはずなのに、小さい子供が食べられるようにしている親や保育所、学校が悪いと思います。
こんにゃく入りゼリーも給食の白玉も今の食感や大きさが大好きなので事故防止のために変更されるのには抵抗があります。
いっそタバコのように小さい子供に与えるのを禁止された方が良いと思います。
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