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ロタワクチン 定期接種に…乳幼児の重症化防ぐ

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 乳幼児が起こす急性胃腸炎で、原因の多くを占めるのが「ロタウイルス」だ。 嘔吐おうと や下痢を繰り返し、感染力が非常に強い。今月、重症化を防ぐワクチンが定期接種となった。(東礼奈)

ロタワクチン 定期接種に…乳幼児の重症化防ぐ

  患者は年80万人

 ロタウイルスは、生後6か月から2歳をピークに、ほぼ全ての子どもが5歳までに感染すると言われている。5歳までの子どもが急性胃腸炎で入院するケースのうち、40~50%程度がこのウイルスが原因とされ、国内の患者数は年間約80万人に上ると推計されている。

 感染経路は「経口感染」と「接触感染」で、ウイルスの潜伏期間は1~2日間。患者の便1グラムの中に100億個ものウイルスが含まれていることもあるが、そのうち10~100個程度が口に入っただけで感染する。手や物の表面についたウイルスの感染力も数日間持続する。

 冬場に多いノロウイルス感染症が収まってくる2~5月に流行する。何度も感染するうちに症状が徐々に出にくくなり、大人になると激しい症状が出ることはほとんどない。

 ロタウイルスは小腸にすみつき、内側の粘膜にある細胞を攻撃して水分の吸収を妨げる。腸の働きが悪くなって嘔吐や発熱を引き起こし、1、2日後には下痢も始まる。便は白っぽく、酸っぱい臭いがするのが特徴で症状は1週間ほど続く。

 注意が必要なのは脱水症状だ。吐き気が強いうちは、水分を与えても吐いてしまうが、落ち着いてきたら、少しずつ飲み物を与える。大阪母子医療センター新生児科・感染症科副部長の野崎昌俊さんは「口から飲めて尿が出ていれば、医療機関に慌てて行かなくても大丈夫」と説明する。

 電解質を含んだ経口補水液が理想的だが、母乳やミルクでもよい。半日以上、尿が出なかったり、目がくぼんで舌が乾いたりしていたら脱水症状のサインだ。

 合併症には、ほかに脳炎や脳症があり、年間20例程度起きるとされている。命にかかわることもあるため、けいれんや意識がはっきりしない場合は、すぐに医療機関を受診する。

 家庭内で感染を広げないため、おむつは適切に処理し、手洗いを徹底する。汚れた衣類は、次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤でつけ置きし、他の衣類とは分けて洗濯する。

  飲むタイプ

 ワクチンは2006年頃から流通が始まり、日本でも、11年にロタリックス(グラクソ・スミスクライン)、12年にロタテック(MSD)の製造販売が承認された。

 ウイルスの毒性を弱めた「生ワクチン」で、口から飲む。現在は任意接種だが、赤ちゃんの約7割が接種を受けている。定期接種になったことで、生後2か月にB型肝炎、肺炎球菌、ヒブのワクチンと同時に接種するのが一般的になるとみられる。

 ワクチンの副作用には、腸の一部が隣接する腸管に入り込む「 腸重積ちょうじゅうせき 」がある。接種後1週間程度は、赤ちゃんの様子に気をつける。十数分おきに激しく泣く、機嫌が良かったり不機嫌になったりを繰り返すなどした場合は速やかに受診する。

 野崎さんは「ロタウイルスは、乳幼児が感染すると入院することも多く、ワクチンで予防するのが一番です」と話している。

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