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授乳期間が早期思春期の感情的行動と関連

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 母乳哺育は児の感情および運動の発達に影響を与えるが、脳神経の発達への関与についてはこれまで十分に把握されていなかった。東京大学大学院臨床神経精神医学教授の笠井清登氏らは、母子手帳を基に調査した乳幼児期の母乳哺育期間と、該当する児の脳構造との関連を検討。母乳哺育期間が児の感情的行動に影響を及ぼし、眼窩前頭前野の体積がその相関関係に関与していることが明らかになったとNeuroimage( 2020;220:117083 )で報告した。

日本独自の母子手帳からエビデンスが生まれる

授乳期間が早期思春期の感情的行動と関連

※画像はイメージです

 笠井氏らは、東京都に在住する小児と養育者が対象の大規模疫学研究東京ティーンコホート3に参加した10~13歳の小児207人。対象にMRI検査を行い、その母子手帳を基に調べた母乳哺育期間と早期思春期の脳構造との関係を調査した。

 なお、感情的行動については、児の感情における症状や行動上の問題、不注意・多動性、仲間との関係性などを評価するSDQ(Strength and Difficulties Questionnaire)スケールで評価した。

 その結果、母乳哺育期間と背側および腹側線条体・眼窩前頭前野の体積が正の相関を示した。

 また、事後解析により母乳哺育期間が早期思春期における児の感情的行動と関連し、眼窩前頭前野の体積が両者の関係を媒介していることが明らかになった (図)

図.母乳哺育期間と早期思春期における児の脳体積、行動

 今回の研究について、同氏らは「日本で独自に発達してきた母子手帳という記録媒体を母乳哺育期間の評価に用いたため、期間を正確に評価できた」とし、「小児が対象の研究としては比較的大きな集団で母乳哺育と脳神経における発達、感情的行動との関連を示したことは意義が大きい」と強調した。

 さらに、「これらの結果は、早期思春期における児童の健康的な発育において重要な知見となり、母乳哺育を支援する国際的な取り組みに科学的根拠を与えうると考えている」と述べている。(陶山慎晃)

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