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感染拡大も一因、初心者が軽装で難関へ…山岳遭難が増加

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感染拡大も一因、初心者が軽装で難関へ…山岳遭難が増加

山上ヶ岳に向かう登山客(天川村で)

 奈良県内で山岳遭難が増え、8~9月の遭難件数は昨年より7件多い16件(22日現在)に上っている。新型コロナウイルスの感染を避けながら自然を楽しもうと、初心者や経験の浅いグループが軽装備で登山の難しい山に入り、遭難するケースが目立つ。県警は、事前にしっかりと計画を立て、登山届を提出するよう呼びかけている。(前川和弘)

 県警によると、8~9月の山岳遭難の届け出は、16件22人と相次いだ。そのうち2人は死亡、1人は行方不明で捜索が続く。遭難者のうち7人が20~30歳代で登山経験は浅かった。

 8月14日には、天川村の双門の滝を目指していた20歳代の男性3人が遭難。翌日救助され、けがはなかった。双門の滝は人気スポットだが、登山道は上級者向けであり、準備は欠かせない。しかし、遭難した3人は軽装備で、水や食料もほとんど持ち合わせていなかったという。

 同15日には天川村と上北山村にまたがる 行者還岳ぎょうじゃがえりだけ に登山に来た20~30歳代の男女4人が、自力で下山できなくなり救助された。会社の同僚11人のグループで、登山に不慣れな4人は登山ルートから外れていた。

 今年は新型コロナの感染拡大で、屋内の遊興施設など人が集まる場所への外出を控え、手軽に登山をしようとしたことが、遭難が増えた要因の一つとみられている。天川村の山上ヶ岳に登るため、愛知県から訪れた自営業の男性(47)は、「新型コロナで人の集まる場所にも行けず、気分転換に登山にきた」と話した。

 県内の遭難の大半が吉野署の管内で起きており、登山ルートなどの計画を立てず山に入り、遭難するケースが多いという。同署の藤沢龍一・地域課長は「県内は険しい登山ルートも多く、登山道を外れると危険度が増す。食料や水の準備と計画をしっかりと立ててほしい」と語る。

 同署によると、もし遭難した場合、明るい時間帯であれば山を下るのではなく尾根を目指し登り、上から登山道を見つける方法をとるべきだという。また、日没後は明るくなるまでむやみに動くべきではないとしている。

 登山届が提出されていないことも多く、遭難した16件のうち、出していたのは7件にとどまる。藤沢課長は「登山届があるのとないのでは捜索が大きく異なる。記入されたルートや予定の時間などから捜索範囲を狭めることができる。自分の身を守るためにも提出してほしい」と話している。

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