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車いすバスケ パラ出場資格 選手戸惑い…IPC厳格基準 「脚切断しないといけないのか」

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今年2月の車いすバスケットボール女子日本代表対英国戦でシュートを放つ藤井郁美〈12〉

 あと1年を切った東京パラリンピックの準備が進む中、人気競技の車いすバスケットボールで、日本の女子選手1人を含む一部選手が出場資格を失う事態となった。障害の程度などに応じた「クラス分け」を巡り、国際パラリンピック委員会(IPC)と国際車いすバスケットボール連盟(IWBF)の見解が分かれていたためで、選手からは戸惑いの声が上がっている。

 「(目標を失った選手の)心情を思うと正直、言葉が見つからない」。15日、女子代表主将の藤井郁美が仲間を気遣った。IWBFはこのほど、各国のクラス分けの再審査の結果、9選手がIPCが定める出場資格がないと判断。東京パラ出場が絶たれたある英国男子選手は「(障害を明確にするため)脚の切断も選択肢にしないといけないのか」とし、複数国選手が資格回復を求める声明を出した。

 再審査は、IPCが2015年に明らかにしたパラの参加資格に基づいたクラス分けにIWBFが従わなかったことが原因だ。IPCは今年1月、IWBF独自のクラス分けを見直さない限り、東京パラから競技を除外すると警告。障害が軽い二つのクラスの選手を最優先に再審査を行った。

 IWBFは、健常者に近い軽い下肢機能障害も含めるなど長い間、独自の基準で競技会などを実施していた。「ミニマム(最小)障害などの考え方に違いが大きい」と日本パラリンピック委員会(JPC)幹部。大会によっては健常者も気軽に参加できる「垣根」の低さが競技スポーツとして人気を得た側面もあった。だがパラに関しては「あくまで障害者のためのスポーツとするIPCのルールに従わないと、大会の公平性が担保できない」と関係者。障害を厳密に定義したいIPCと、競技の普及を目指すIWBFの姿勢の違いだ。

 各国選手の再審査結果が出そろい次第、東京パラでの実施について最終判断が下される見込みだ。(畔川吉永)

 ◆車いすバスケのクラス分け=選手は障害の程度に応じて、重い方から「1・0」から「4・5」まで0・5点刻みの持ち点があり、コート上の5人の合計は14点以内でなければならない。

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