町田忍の昭和回想
医療・健康・介護のコラム
ボタン押し 針を見て待つ エレベーター
昭和は遠くなりにけり--。銭湯や手描き看板をカメラにおさめ、お菓子のパッケージを収集するなど、庶民の暮らしを見つめてきた町田忍さんが、懐かしいあれこれをイラストにして回想します。みなさんも古いアルバムや本、新聞を引っ張り出し、町田さんのイラストと合わせて、昔を振り返ってみてはいかがでしょうか。 |
エレベーター
エレベーターに初めて乗ったのは昭和20年代後半のことだ。当時、ボーナスの時期になると、東京・渋谷の「東横デパート」に家族で買い物に行くのが恒例だった。
その頃、1階のエスカレーターには「エスカレーターガール」と呼ばれる女性がいたのを覚えている。今と違ってエスカレーターはまだ珍しく、どのタイミングで乗ればいいのかわからないという人も多かったので、不慣れな客をサポートしてくれていた。
一方、エレベーターにもエレベーターガールがいて、案内や昇降の操作を担当していた。現在は、お客が自らボタンを押すところが大半だが、老舗デパートにはまだエレベーターガールがいて、操作してくれるところもある。
さて今回の絵は行く先の階数が「針」で示されるようになっている珍しい表示板で、戦前に建てられた銀座のビルに残っているもの。扉も蛇腹式で、手動で開閉するため、慣れないと手こずってしまう。写真は、かつて老舗デパートにあった表示板。針が動いているのを見ていると楽しくなり、待ち時間も苦にならない。
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