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恐竜も「がん」にかかっていた、世界で初めて確認…仲間に守られて闘病か

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 恐竜もがんにかかっていたことを世界で初めて確認したと、岡山理科大学やカナダ・王立オンタリオ博物館、マクマスター大学の共同研究チームが発表した。人間の病気の診断でも使うコンピューター断層撮影法(CT)や顕微鏡で、脚の骨の化石を詳しく調べた結果、骨のがん「骨肉腫」を患っていたと「診断」した。論文は8月、医学誌「ランセット・オンコロジー」電子版に掲載された。(藤沢一紀)

 岡山理科大学の千葉謙太郎助教(古脊椎動物学)らは、白亜紀後期に生息していた角竜の一種「セントロサウルス」のひ骨(すねの骨)の化石に注目。1989年にカナダで発見されたこの化石は、ひ骨が太く短く変形しており、骨折が治った痕だと考えられていた。

 しかし、正常な骨と比べて奇妙に膨らんでいる箇所があり、2017年から詳細な病理検査が進められてきた。CTによる骨の内部構造解析や千葉助教が作製した薄片の顕微鏡分析、人間の骨との比較などを行った結果、骨肉腫と特定した。

 骨肉腫は人間の場合、若い人が発症することが多い。骨組織ががんで侵され、スポンジのように、たくさんの細かい穴があくことで知られる。研究の結果、この特徴が、恐竜の骨の化石でも見つかった。侵食は進行し、肺など他の部位にも転移していた可能性もあるという。

岡山理科大の千葉助教

 千葉助教は「がんが人間特有の病気ではなく、大昔から生物を悩ませてきたことがわかった」と説明するが、死因は骨肉腫ではないと推測している。群れで暮らす恐竜は、病気で弱ると肉食恐竜に食べられたり、群れについて行くことができず置き去りにされやがて衰弱死したりするが、この化石の恐竜は、洪水で多くの恐竜が一斉に死んだと考えられる「ボーンベッド」と呼ばれる場所で見つかったためだ。

 千葉助教は「人間だと骨肉腫は若い人で発症するが、研究した恐竜は大人の個体だった。病気で弱った後も、仲間から守られていたかもしれない」と話している。

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