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【独自】重大いじめ原因究明の調査期間「1年以上」2割…読売調査、急増に対応難しく

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 いじめが原因で児童生徒に深刻な被害が及ぶ「重大事態」について、全国の154自治体に原因を究明する第三者委員会の調査期間を尋ねたところ、調査に1年以上かかるケースが2割あることがわかった。2018年度に小中高校などで認知されたいじめは過去最多で、重大事態も急増しており、文部科学省では調査手法のあり方について有識者会議に諮ることを検討している。

 読売新聞では、都道府県、道府県庁所在市、政令市、中核市、東京23区の計154自治体を対象に、いじめ防止対策推進法が13年9月に施行されて以降、重大事態のなかでも深刻な被害や自殺を招いたケース(1号事案)についてアンケートで尋ねた。150自治体が回答した。

 重大事態に認定されると、教育委員会や学校に第三者委などが設置され、原因究明と再発防止策の検討が行われる。アンケートの結果、第三者委などが調査したのは222件あり、調査期間が「1年以上」は49件(22%)で、そのうち「2年以上」は10件(4・5%)だった。このほか、現在も調査中は54件あり、その約3割の15件が1年以上かかっている。

 調査が長引くことで、第三者委の委員になる専門家らの負担は増しており、日本弁護士連合会は18年9月、「膨大な作業で本来業務に支障が生じ、時間的・経営的負担が大きくなる」と指摘した。

 また、第三者委の人選や委嘱にも時間がかかり、調査の開始までに数か月から1年ほどかかることもある。そのため、大阪市では今年度中にも、第三者委を常設し、弁護士などの委員をあらかじめ12人程度選任しておく運用を始める。

 関西外国語大の新井肇教授(生徒指導論)の話「時間の経過とともに教員や関係する子供の記憶が薄れ、卒業で調査が難しくなるケースもある。再発防止策を検討するためにも、調査にはスピード感が求められる。国として、委員の選任の仕方や効果的な調査手法などを各教委に分かりやすく示す必要がある」

 ◆重大事態=「いじめ防止対策推進法」で定義され、いじめで子供の生命や心身、財産に大きな被害が生じた疑いがある事案(1号事案)や、長期間の不登校になった疑いがある事案(2号事案)を指す。2018年度、過去最多の602件(前年度比128件増)に上った。

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